農業施設30巻4号
2000.3,333〜342
論文:

花粉菅生物判定法によるコンポスト腐熱度および品質評価に関する研究(V)
−コンポストの化学的組成と花粉管伸長との関係−

任順栄・院多本華夫・張振亜・前川孝昭

要 旨

 強制通気法および切り返し堆積法の高温急速コンポスト化によって豚ふん、鶏ふんおよび牛ふんを処理し、経日的に得られたコンポスト水抽出液で培養した花粉管の伸長状況からコンポストの腐熱度を検討した。
 豚ふんおよび鶏ふんの窒素含有量は風乾物当り2.09〜3.43%で多く、牛ふん(1.73%)でもっとも少なかった。窒素含有量の少ない牛ふんの実験区では、培養した花粉管伸長とコンポストのNH4-N濃度との間に負の高い相関関係(R2=0.59〜0.80)が見られた。また、牛ふんの実験区では、コンポスト化が進むにつれてNH4-N濃度が高くなっていた。コンポストのpHはいずれも7.57以上であったことから、コンポストには酸性生成物の残留は少なかったと言える。また、コンポストのECとNH4-N濃度との間に正の高い相関関係が見られたことから、EC値の変動には、NH4-N濃度の変動が深く関係していたと言える。
 以上のことから培養した花粉管伸長の抑制にはコンポスト化過程から得られたコンポストの水抽出液のアンモニア(NH4-N)が深く関与したと言える。従って、花粉管培養はコンポストの腐熟の進行状況を観察するのに有効な手段の一つであると言える。

キーワード: 家畜ふん, コンポスト化, NH4-N, 生物判定法, 花粉管伸長, コンポスト腐熱度


農業施設学会