農業施設30巻4号
2000.3,343〜352
論文:

自然換気における6スパン高軒高フエンロ型温室内の気温分布:風洞実験

奥島里美・佐瀬勘紀・前川孝昭・池口厚男・B.J.BAILEY

要 旨

 自然換気における多連棟フェンロ型温室内温度分布に関する風洞実験を行った。実験には床面を加温した縮率1/12の温室模型を用い、実寸で0、1、2mの高さの植物群落がある場合について、0〜3.9m・s-1の屋外風速条件下で測定を行った。相似条件としてはアルキメデス数の一致を採用した。
 群落がない場合、熱電対により測定した温室内気温は、すべての風速条件で風上側の方が風下側より高かった。これは風速が0の場合でさえ、循環流が形成されていることを示している。床面温度のわずかな違いもこの理由の一つかもしれない。
 風速が1m・s-1以下では、壁面や床、屋根近傍を除いた温室内平均気温は外風速に関係なく、ほぼ一定であった。風速が1m・s-1を越えると外風速の増大とともに、温室内平均気温は減少した。
1m高さの群落がある場合、群落がない場合に比べて高さ1m以下の気温は高かったけれども、中央高さにおける気温は低かった。群落がない場合には室内のほぼ全体を占めていた弱い循環流が、群落が存在する場合には群落上の自由空間に存在した。群落高さが2mの場合、群落から上の自由空間への熱の放出は群落高さが1mの場合よりも小さかったが、通路部分では逆に大きくなった。また、自由空間での気温分布は群落高さが2mの場合が最も変化が大きかった。

キーワード: 自然換気, フェンロ型温室, 温度分布, 風洞


農業施設学会