要 旨
Hard-to-cook(HTC)を促進するため、収穫直後の新鮮な大豆を高温高湿条件で貯蔵し、加熱前に大豆を塩化カルシウム溶液で浸漬した。貯蔵3ヶ月後の煮豆子葉の硬度は、貯蔵前の煮豆子葉が示した硬度の5倍であった。これは、貯蔵による細胞壁を構成する高分子全体の相互結合のためである。子葉の硬度減少を導く熱変性高分子の構造的な相互作用全体を‘ソフトニングサブストレイト’とした。ステップワイズ崩壊モデルを用いて解析を行った加熱時間と煮豆子葉の硬度のグラフプロットから、4つのソフトニングサブストレイトが認められた。これらの4つのソフトニングサブストレイトが見かけの活性エネルギーを用いて特徴づけられた。このうち2つのソフトニングサブストレイトがペクチン様物質のβ-脱離反応と直接的に係わっていることが見出された。したがって貯蔵によりペクチンβ崩壊反応に影響を及ぼす要因が煮豆子葉の硬化を直接的に誘因している一つの機構であると考えられた。キーワード: 豆類、大豆、HTC、貯蔵、ソフトニングサブストレイト、ペクチン様物質