農業施設31巻1号
2000.6, 31〜40
論文:

日射熱負荷算定のための立位豚の直達日射面積

蓑輪雅好

要 旨

 豚体に入射する直連日射量 [W] は法線面直達日射量 [W/m2] とその法線面に直投影した豚体面積 [m2] との積で求めることができる。本研究では法線面へ直投影した豚体の面積を直達日射面積と呼称し、体重が27,65,88kg である豚の立位におけるサーフェスモデル(体表面を多数の子角形パッチで構成した3次元多面体グラフィックスモデル)を用いて豚体の直達日射面積を、太陽高度と豚体に対する太陽の方位角を変数として数値計算で求めた。
 太陽高度と豚体に対する太陽方位角を変数として 27,65,88kg 豚の直達日射面積を図示した。太陽高度が低いとき豚体の直達日射面積は、太陽が豚体の前方や後方に位置するとき小さくなり、太陽が豚体の横方向に位置するとき大きくなる変動を示した。これらの変動は太陽高度が高くなるにつれて小さくなり,太陽高度が90°における直達日射面積は方位角に関係なく一定であった。提示した直達日射面積を用いることにより,ある方向を向いて立位している豚体に入射する直達日射量の算定が豚体の3次元形状に基づいて可能になった。
 次に、方位角に関して平均化した直達日射面積と太陽高度の関係を図示した。これらの直達日射面積は、豚が向きを自由に変えることができるときに豚体に入射する直達日射量の算定に使われる。
 最後に,豚体に入射する天空日射量QDF [W] および水平地表面から豚体に入射する反射日射量QR [W] の算定式を提示した。これらの算定式は本研究で解明した太陽高度90°における豚体の直達日射面積を用いて決定したものであり、27〜88kgの豚に適用可能である。
  QDF = 0.611QDFH
  QR = 0.389ρQGH
ここでQDFHは水平面天空日射量 [W/m2]、QGHは水平面全天日射量 [W/m2]、ρは地表面の日射反射率、Sは豚体表面積 [m2] である。

キーワード: 豚, サーフェスモデル, 数値計算, 直達日射面積, 直達日射量, 天空日射量, 反射日射量


農業施設学会