農業施設33巻1号
2002.6, 27〜33
論文:

食用担子菌類の液体培養による機能性食品の開発 (1)
−Agaricus blazei Murillの菌糸およびβグルカンの生産に及ぼす有機基質の影響−

前川孝昭・院多本華夫・杉浦則夫・礒田博子・赤沢うた

要 旨

 有機基質培養液で培養した担子菌類Agaricus blazei Murillの菌糸体の生産量に及ぼす有機性栄養基質および菌糸体に含まれるβ-グルカン量を検討した。種菌はバガスコンポストで栽培したA.blazei きのこから分離した。基本培地は NH4NO3, KH2PO4, MgSO4 および FeSO4からなり、添加有機基質は蔗糖、黒砂糖ふすま,大麦およびバガスであった。本培養には1Lの有効容積のファメンターを用い、撹拌・通気のもとで30℃、72時間とした。菌糸体収量は基本培地に添加したふすま、黒砂糖、押し麦およびバガスの順で高くなっていたが、酵母エキス、ペプトン、バガスおよび蔗糖で調製した培地の収量は6.96g/Lで高かった。β-グルカンの生成については、使用した培地、収穫した菌糸体、および菌糸体の洗浄水のβ-グルカン含量は、収穫した菌糸1g当りそれぞれ4.14mg、5.25mgおよび0.03mgであり、合計で9.42mgであった。また、熱水で水洗した菌糸からβ-グルカンを抽出した結果、菌糸には菌糸量1g当りに3.50mgのβ-グルカンが残留していることから収穫菌糸からのβ-グルカン回収率は約33.3%であった。

キーワード:Agaricus blazei Murill.、液体培養、培地基質、菌糸、β-グルカン


農業施設学会