要 旨
メタン生成に対する微量金属塩濃度の影響とその動力学的検討を行うために、混合無機培地に従来法濃度の0.5倍〜300倍となるように微量金属塩液を添加して酢酸分解系メタン菌の回分培養を行った。メタン発酵の動力学モデルを用いて、実験データにより、総括反応速度とその見かけの反応速度定数を解析した結果、実験データは動力学モデルと一致していた。又、見かけの反応速度定数(apparent reaction rate constant)は0.05〜15mL・L-1の微量金属塩液濃度の範囲内では金属塩濃度の増加に伴って増加し、15mL・L-1の時に最大値0.586day-1となり、その後、15mL・L-1〜30mL・L-1の微量金属塩液濃度の範囲内では金属塩濃度の増加に伴って減少することが分かった。さらに、従来の培地の微量金属塩濃度を150倍に増加させることによって、見かけの反応速度定数を8倍に高めることができた。これによって、微量金属塩濃度が嫌気性処理プロセスにおけるメタン生成に重要な影響を与えることが確認された。キーワード:メタン発酵、微量金属塩、反応速度定数、培地、酢酸分解系