要 旨
回転ドラム発酵システム(RDFS)を二相式メタン発酵法における酸生成過程に適用することを前提として、滞留時間や攪拌媒体が中温の酸生成特性に及ぼす影響を明らかにした。豆腐おからを原材料として投入したベンチスケールRDFSにおいて、15、20、25、30日の各滞留時間に対して得られた定常値は、pHで4.3〜4.8、有機固形物(VS)の分解率(%)で6.7〜10.4、有機酸濃度(VA、g/L)で13.3〜16.0の範囲にあり、RDFSが酸生成過程として機能することを確認した。一方、VS基準の加水分解定数は3.7×10-3 d-1であり、既往のデータと比較して小さかった。RDFSのリアクタ内にボールや切削刃等の攪拌媒体を投入することにより、加水分解定数を5.3〜7.2×10-3 d-1の値にまで増加させることが出来た。しかしながらこれら攪拌媒体の投入は、酸生成過程における加水分解定数を飛躍的に増加させなかった。また、pHは電離有機酸と非電離有機酸の分布に重要な影響を与えると同時に、非電離有機酸の蓄積は発酵槽の攪拌媒体の種類に関係なく加水分解過程を阻害することが示された。キーワード:pH、酸生成過程、加水分解定数、攪拌媒体、有機酸阻害、有機固形物分解率、電離有機酸、非電離有機酸、有機酸組成