要 旨
日光温室は、中国北部で広く使用されている省エネルギー型温室であり、北・東・西が固体壁となっており、これら壁体および土壌の蓄熱・放熱作用によって、冬季においても無加温もしくは簡易な暖房設備のみで作物栽培を行うことを可能とする中国固有の園芸施設である。本報は、日光温室の熱環境形成機構を解明するための第1段階として北京市の実験温室にいて基本的な環境計測実験を行った。その結果、南側透光面の日射透過率は平均60%であり、温室内気温は昼夜ともに外気温より高く経過し、とくに夜間において無暖房で内外気温差10℃以上を保持していた。日中においては、太陽熱が土壌面および北・東・西壁へ蓄熱され、夜間、これらが室内側に還流・放熱されており、全熱量の約65%が土壌から、26%が北壁から、東壁から6%、西壁から3%が放熱されていた。キーワード:日光温室、熱環境、蓄熱、放熱、無暖房