農業施設34巻2号
2003.9, 91〜100
論文:

回転ドラム発酵システムによるドライメタン発酵(3)
−プロセス構成が酸生成過程に与える影響−

蒋偉忠・北村豊・石束宣明・椎吊威仁

要 旨

 有機酸(VA)生成や有機物(VS)の分解および粒径分布といったパラメータを用いて、滞留時間(HRT)20日の中温発酵を行う回転ドラム型発酵システムの酸生成特性に与えるプロセス構成の影響を評価した。実験では生の大豆粕すなわちおからを基質として用いながら、カスケードプロセスと固形物返送プロセスについて、その酸生成特性を検証した。カスケードプロセスについて得られた見かけの加水分解定数は、pH 4.5~4.6の定常状態で9.0×10-3 d-1 であり、前報の結果(7.2×10-3 d-1)よりも大きかったのに対して、固形物返送プロセスについて得られた加水分解定数はpH 4.4で5.0×10-3 d-1であり、これは前報の値よりも小さかった。両プロセスのみかけのVS除去率と総VA(酢酸基準)はそれぞれ9.6〜16.5 %、10.8〜16.7 g/Lの範囲にあった。総VAに占める電離VAの比率は、固体返送プロセスで27.5〜30.8 %への増加があったのに対して、カスケードプロセスでは35.5 %への増加があり、また酢酸の総VAに占める割合はカスケードプロセスで86〜94.3 %、固形物返送プロセスで86〜93.3 %であった。ここで得られたVSの粒径分布特性は、粉砕用ボールのリアクタへの投入が粗大固形物の機械的な粉砕に効果的であると認められたものの、可溶性固形物の顕著な生成を促進するには至らなかったことを示唆した。

キーワード:pH勾配、酸生成過程、加水分解定数、プロセス構成、有機固形物分解率、電離有機酸、非電離有機酸、有機酸組成、粒径分布


農業施設学会