農業施設34巻2号
2003.9, 101〜112
論文:

矩形面に対する立位豚の全方位形態係数

蓑輪雅好

要 旨

 立位豚の向きが時々刻々と変化するときの矩形面に対する豚体の形態係数を解明するために、豚がその場で向きを1回転したときの矩形面に対する形態係数の平均値を全方位形態係数と呼称し、27Kg豚、65Kg豚および88Kg豚のサーフェスモデル(体表面が多数の三角形パッチで覆われた3次元多面体グラフィックスモデル)を用いて、壁面に位置する矩形面(単に壁面と呼称する)、天井面に位置する矩形面(天井面)、豚の蹄部底面が接触している矩形面(床面)および蹄部底面よりも下方に位置する矩形面(下方床面)に対する豚体の全方位形態係数を数値計算で求めた。
 形態係数総和則と誤差伝播法則から、豚体の全方位形態係数計算値の誤差率は1%以下であり、計算値は有効数字が少なくとも3桁である精度を有していると推定できた。
 豚体中心(豚体の全長、最大幅、最大高さそれぞれの中心)から1m以上離れた壁面、0.5m以上離れた天井面および1m以上離れた下方床面に対する27Kg豚、65Kg豚、88Kg豚の全方位形態係数は、これら3種類の豚における平均値(全方位形態係数平均値)で代表できることが明らかになった。また、豚体中心から1.5m以上離れた壁面と0.5m以上離れた天井面に対する豚体の全方位形態係数平均値は、矩形面に対する微小球の形態係数を表す式で算定できることを示した。さらに、豚体中心から1m以上離れ、豚体中心から床面までに位置する壁面に対する27Kg豚、65Kg豚、88Kg豚の全方位形態係数にも、矩形面に対する微小球の形態係数算定式は適用可能であった。
 微小球の形態係数算定式が適用できない壁面、床面および下方床面に対する豚体の全方位形態係数や全方位形態係数平均値については、豚体中心から矩形面までの距離と矩形面の大きさを変数とした算定図を提示した。

キーワード:豚、サーフェスモデル、数値計算、形態係数、矩形面、壁面、天井面、床面


農業施設学会