要 旨
豚、家禽などの単胃動物の餌に添加する無機リン量を削減するために、植物または微生物由来のフィターゼを添加して、飼料中のフィチン態リンを無機化させる技術が今後普及すると予想される。しがしながら、この技術が普及すると、豚や家禽のふん尿堆肥中の無機リン含量は著しく低くなり、作物の養分源としての価値を大きく低下させると推定される。そこで、動物体内で分解されなかったフィチン態リンの無機化を堆肥化過程で促進させることが重要になろう。本研究では、飼料に添加したフィターゼが排泄された後にも、ふんに残ったフィチン態リンをどの程度分解し続け得るのかを検討した。
フィターゼ添加と無添加の飼料で飼養した豚のふんを室内に40日間放置し、フィターゼ活性を測定した。排泄されたふん中のフィターゼの活性は、豚ぷんの放置に伴い、0日目の1,070U/kgから40日目の45U/kgへと直線的に減衰した。この間にフィチン態リンの約半分(1.26mgP/gふん乾物)が分解された。そして、40日目以降においては排泄されたフィターゼによるふん中のフィチン態リンのさらなる分解は期待できないことが判明した。キーワード:フィターゼ、フィチン態リン、無機リン、豚ぷん