要 旨
2002年10月1日20時半頃に、台風0221が神奈川県川崎市付近に上陸した。関東地方太平洋側を北上した本台風は、中心付近の最大風速が35m/s の、関東地方における戦後最大級の強さの台風であった。そのため、台風の危険半円に位置した千葉県東総地方および茨城県鹿行地方では、パイプハウスを中心とする多くの園芸施設が倒壊等の被害を受けた。
今後の台風対策に資するために、被災した園芸施設7事例に関する現地調査を行った。また調査結果の整理・被災園芸施設の構造解析・接合部および基礎の耐風性の算出を行い、破壊メカニズムに関する考察を加えた。その結果、(1)南南東風を中心とする風速35m/s 以上の風によって園芸施設の被災が生じたことを確認し、さらに事例毎に、(2)50m/s の風では基礎が浮き上がることと、さらに施工上良基礎では引き抜き耐力が70%以上低減すること、(3)基礎を現状よりも10cm深く埋設することにより50m/s の風でも浮き上がらなくなること、(4)斜材の設置されていない鉄骨補強パイプハウスの柱梁接合部は50m/s の風には耐えられないことを明らかにした。また、(5)風下側妻面の開放による施設内部の負圧増加が屋根を押しつぶそうとする荷重を増加させたとする破壊メカニズムの可能性を指摘し、(6)風上側に風の流れを大きく変化させる物体が存在する場合の園芸施設に適した風圧力算定方法の必要性について指摘した。キーワード:園芸施設、構造解析、台風0221