農業施設35巻1号
2004.6, 9〜15
論文:

フィターゼによる家畜飼料中のフィチン態リンの分解に及ぼす亜鉛及び銅の影響

郝桂玲・西尾道徳・前川孝昭

要 旨

 家畜飼料の主原料であるトウモロコシ、マイロ及びダイズ粕を使用して、フィターゼによる飼料中のフィチン態リンの分解に及ぼす亜鉛及び銅の影響を検討した。
飼料原料粉末と亜鉛または銅の溶液を入れた試験管にpH7またはpH5のフィターゼ溶液(0.5M酢酸緩衝液に溶解したもの)を加え、37℃で1時間インキュベートして、亜鉛及び銅によるフィチン態リンの分解阻害率を求めた。亜鉛及び銅の濃度が高いほど、またpHが高いほど、フィチン態リンの分解阻害率が高くなった。同じpHでは特に2mM以上の濃度において、銅に比べて、亜鉛によるフィチン態リンの分解阻害率が高くなった。三つの飼料原料を比較すると、亜鉛及び銅によるフィチン態リンの分解阻害率は、トウモロコシとマイロに比べて、ダイズ粕で低かった。
 飼料に添加したフィターゼの活性を最大限に発揮させ、フィチン態リンの利用率を向上させるには、日本飼料標準を超える過剰な亜鉛及び銅の飼料への添加を抑制させることが重要であることを考察した。

キーワード:亜鉛、銅、フィターゼ、フィチン態リン


農業施設学会