農業施設35巻2号
2004.9, 75〜82
論文:

低温馴養による微量金属を包括した担体の中温メタン生成菌の検討

李柏旻・新屋文隆・張振亜・前川孝昭

要 旨

 従来の固定化担体と、無機物、微量金属とビタミンB群を包括した新規包括担体を用い、完全混合型リアクタ(CSTR)の性能を比較研究した。これらのリアクタ温度を25、15、5 ℃に調整し、汚水処理場の中温消化リアクタから採取した汚泥を6ヵ月間馴養し、低温メタン生成菌を接種した。新規包括担体を開発し、低温バイオガスリアクタにおいて実験した。新規包括担体は従来のものに比べて100、1000、5000、10000倍濃度の無機物、微量金属とビタミンB 群をグルコマンナンゲルに内包し、これをPVA ゲルを用いて包括した。担体の外径は、およそ4〜5mmである。担体の充填率は有効容積の5〜20%、有機酸負荷は1〜4kg-VAm-3d-1、水理滞留時間(HRT)は20日とし、3連繰り直しの実験を行った。その結果、新規包括担体を用いたCSTRの最適運転条件は、1000倍濃度の無機物、微量元素、ビタミンB群、また有機酸負荷3.5〜4kg-VAm-3d-1と充填率10%であった。メタン生成菌活性評価(CH4-mLd-1g-VSS-1) の視点からは、低温バイオガスリアクタの運転温度は15〜25 ℃が望ましい。

キーワード:バイオマス、担体、メタン生成菌、メタン生成菌活性、低温、PVA ゲル


農業施設学会