農業施設35巻2号
2004.9, 83〜92
論文:

ゼロエミッション型コンポスト化システムに関する研究
−ハウス栽培でのコンポストガス施用が作物生長に及ぼす影響−

加藤仁・東城清秀・渡辺兼五

要 旨

 有機性廃棄物のコンポスト化過程で発生するコンポストガスの二酸化炭素成分の作物栽培施設での利用を検討するため,コンポストガス成分の作物生長への影響ならびにガス成分の回収処理に関する実験を行った。
 コンポストガスの成分である硫化水素やメチルメルカプタン,アンモニアは,標準ガスを利用した実験により,栽培ハウスのような閉鎖された栽培環境において,作物生長に好ましくない成分であった。生物回収はアンモニアに対する回収能力は高いが,メチルメルカプタンや硫化メチルに対する回収能力は低かった。また,環境の温度により回収能力に変化が生じた。活性炭と触媒フィルタを利用した物理回収ではアンモニアに対する回収能力は低く,揮発性硫黄化合物に対しては,メチルメルカプタンの回収能力が高かった。しかし,硫化メチルに関しては,触媒による化学変化から副次的な成分が発生した。コンポストガスに対して生物回収および物理回収処理を行うことで,栽培ハウス内の作物へ施用しても,目だった障害は生じなかった。大気組成条件下で育てた葉ダイコンよりも,生物回収・物理回収処理したコンポストガスを施用した葉ダイコンの方がSPAD値は高かった。

キーワード:ゼロエミッション、コンポストガス、アンモニア、揮発性硫黄化合物、生物フィルタ、触媒フィルタ、CO2施肥


農業施設学会