農業施設35巻3号
2004.12, 149〜156
論文:

繊維性バイオマスのメタン発酵特性解析

織田敦・笈田昭

要 旨

 著者らは、繊維性バイオマスとして小麦製粉時の副生物である混合フスマを選定し、これをメタン発酵によってエネルギ変換することを目的として、フスマのメタン発酵特性を実験的に検討してきた。本報では、50Lのパイロットスケール発酵槽を使用して、長期連続運転において安定発酵を維持し得る条件を実験的に明らかにし、フスマのメタン発酵特性をより詳細に把握することを目的とした。また、本実験では、前処理コスト低減のため無処理フスマを原料としており、この無処理フスマの発酵適応性を明らかにすることも目指した。実験の結果、無処理フスマを原料とした50Lの一槽式中温メタン発酵において、安定したバイオガス生産を維持できる限界有機物負荷として、約2.5[g-TS/L/day]が得られた。これは、これまでの可溶化処理を施したフスマと1L小型発酵槽を用いた研究で得られた限界有機物負荷と比較して大幅に低い値である。この原因として、無処理フスマを使用したことで加水分解に時間がかかり、高負荷による悪影響が顕著にあらわれたためと考えられた。また、得られた限界有機物負荷は、家畜糞尿などを原料とした一般的な一槽式中温メタン発酵と比較して同等の値であり、繊維性バイオマスを主原料としたメタン発酵でもエネルギ変換プロセスとして、十分有用であることが示された。

キーワード: メタン発酵、繊維性バイオマス、フスマ、代替エネルギー、バイオガス、廃棄物処理


農業施設学会