要 旨
愛媛県のカーネーション農家における収穫・出荷の現状を把握し、問題点を明確にするとともに、「蕾開花促進(BAA)」と命名した蕾の開花速度の加速による開花促進処理法の出荷調節への適応性を検討した。愛媛県内の篤農家の現状を調査したところ、母の日直前には低温貯蔵が行われ、出荷本数は通常の2.8倍になっていた。年間出荷本数の14%にあたる多くの花が母の日用出荷に間に合わず蕾状態で圃場に残留していた。1℃および5℃における1週間の低温貯蔵は花弁のピンク色の鮮やかさを低下させ、葉の色調を黄化させた。1℃で1週間貯蔵すると、花弁に障害が発生した。5℃で1週間貯蔵すると、満開時の花径が小さくなり、花持ちが短くなった。BAAにより蕾段階から出荷適期に到るまでの日数が短縮できた。BAAによる花弁色調の変化はほとんどなく、葉の緑色をより鮮やかにした。ステージ1から蕾開花促進させた場合、花径が小さくなった。BAAに花持ち延長効果は認められなかった。これらのことより、処理条件の改良は必要であるが、カーネーションの出荷調節法として、BAAはきわめて有効な技術となりうることが示唆された。キーワード: カーネーション、母の日、蕾開花促進、低温貯蔵、出荷調節、品質