要 旨
個別農家用バイオガスプラントにおける余剰ガス発生を前提としたガス輸送・貯蔵およびその利用システムについて、北海道S町を対象事例に環境的・経済的評価を実施した結果、以下のことが明らかになった。
1.地球温暖化への影響度で環境負荷を比較した結果、PSA法を用いてバイオガスを精製し、メタンを輸送する方式が最も優位であった。
2.経済性の面では、精製せずにバイオガスを輸送する方式が最も優位であり、唯一10年間の収支が黒字となった。
現時点で最も妥当な選択肢は、バイオガスを精製せずに輸送するオプションであるが、ガス発生量・バイオガス中のメタンガス濃度にこの結果が大きく影響される。したがって、今後の課題は、S町に建設されたバイオガスプラント(2004年6月時点では2基)のガス発生量等の実績データにより、ガス輸送・貯蔵および利用システムの将来性をさらに正確に検討することである。キーワード: バイオガス、消化ガス精製、PSA、スクラバー、輸送、貯蔵、炭素系吸着剤、ライフサイクルアセスメント、LCA