要 旨
農業施設からの汚水を排出する時、あるいは農業用水を利用する際には水の浄化が必要であるが、現在の浄化方法は一般にコストがかかる。天然に豊富に産生する岩石は多孔質で表面に電荷を帯びており、懸濁液中の物質を吸着する性質があり、低コストな汚水浄化方法の一つとして利用することが期待される。しかし、天然岩石の物質吸着能は定量的には未だ明らかでない。
そこで天然岩石の物質吸着能を定量的に明らかにするため、メチレンブルーを吸着物質として、初期最高濃度10〜20ppm、溶液温度10〜30℃の範囲における吸着実験を行った。供試岩石には、塩基性片岩、蛇紋岩、中国産石英斑岩、日向産石英斑岩の4種類を用いた。Langmuirの吸着速度式と、IUPACの類型でT型に属する吸着等温式を組み合わせた、岩石の物質吸着プロセスモデルを提案し、吸着プロセスのシミュレーションを行った。
岩石によるメチレンブルー吸着量の経日変化は、提案した岩石の物質吸着プロセスモデルでシミュレーションできることがわかり、岩石の物質吸着に関する基本特性値を推定することができた。
その結果、吸着速度は溶液温度が10℃や30℃の場合よりも20℃が大きいことが分かった。また、最終的な吸着量はどの供試岩石についても30℃で量も多く、8.02×10-7〜9.03×10-7g/grocksであり、この値は10、20℃に比べて4〜4.5倍であることが分かった。キーワード: メチレンブルー、天然岩石、汚濁物質、吸着能の推定