要 旨
パッドアンドファン冷房システムは、1980年代に中国に導入されたが、近年、多数の大型温室の建設に伴い、中国における応用が再び注目されている。本報では、北部内陸乾燥地域の北京市と東部沿海湿潤地域の上海市を事例として、異なる気候地域におけるパッド冷房方式の効果とその影響要因について現地計測し、検討を行った。
北京温室と上海温室において、室内流入空気冷却度は、それぞれ最高12.6℃、7.7℃、平均6.1℃、5.8℃であり、室内空気冷却度は、それぞれ最高10.0℃、4.2℃、平均3.6℃、2.7℃であり、パッド冷房方式は両地域において適用し得るものと考えられた。パッドの冷却効率は0.78〜O.79であり、これは冷却水温度、パッド使用経過時間、パッド通過風速には影響されなかった。パッドからファン間の室内気温の平均昇温度は、北京温室では0.06℃/m、上海温室ではO.11℃/mであり、上海温室の高い昇温度は室内日射受熱量が大きいこと及び室内力一テンによる遮光方式の影響によるものと考えられた。キーワード: パッドアンドファン冷房システム、大型温室、北京、上海、冷却効率、冷却度、室内昇温度