農業施設37巻1号
2006.6、 3〜9
論文:

青果物の損傷性を考慮したランダム振動試験法の開発

臼田浩幸・椎名武夫・石川豊・佐竹隆顕

要 旨

 実輸送環境における物品の損傷性を考慮したランダム振動試験法の開発を目的として、簡易なデータロガーによるパワースペクトル密度(PSD)データの取得方法の検証、ならびに損傷性を考慮した加振波形の設計方法について検討を行い、農産物であるイチゴを例にPSDの算出方法について例示した。
 振動計測を行うためのデータロガーとしては、3次元加速度記録計を用いた。振動試験機を正弦波で加振した時の振動をデータロガーで計測し、高速フーリエ変換による解析を行なったところ、上限周波数と周波数分割数で決まる下限周波数の制限により、低周波数領域の振動強度が過小評価されている可能性が示唆され、サンプリング定理に基づく上限周波数だけでなく、下限周波数についても注意が必要であることが明らかになった。  また、ランダム振動試験において、複数のPSDデータに対して、物品の損傷性の指標であるS-N曲線を用いて平均化処理を行うことで、損傷性を考慮した振動条件の設計が可能となった。さらに、S-N曲線を用いることで、試験時間を実輸送時間より短縮する加速化が可能となった。

キーワード: ランダム振動試験、輸送、振動、S-N曲線、パワースペクトル密度(PSD)、下限周波数、加速化


農業施設学会