要 旨
遠赤外線(FIR)技術は自動車製造工程における塗装の焼付で広く使われてきた。遠赤外線放射乾燥は製造工場ばかりでなく、お米の乾燥のような農産物加工でも使われている。しかし、現在、野菜や果物については研究室段階での応用にとどまっている。本研究では、遠赤外線放射乾燥と温熱空気による対流乾燥を比較しながら、乾燥の所要エネルギーや所要時間について検討した。また、遠赤外線放射乾燥における農産物内部品質の変化について観察した。供試農産物(ニンジン)の変形や水分分布を解析するため、CTスキャナーを利用した。CTデータや供試材料の強度は乾燥実験において一定時間間隔で記録された。200,400および600Wの遠赤外線放射乾燥で最大乾燥速度はそれぞれ3.6、8.6、11.6%d.b./hで、所要乾燥時間はそれぞれ26、12、4.5時間であった。200W遠赤外線放射乾燥では温熱空気乾燥のように水分の減少とともにニンジンが収縮したが、400Wと600Wの遠赤外線放射乾燥では大きな変形もなく供試材料が乾燥した。キーワード: CT画像、乾燥特性、遠赤外線乾燥、収縮