要 旨
100頭の三元系統交雑豚を対象として、主成分分析により豚の屠体成績と豚肉品質の総合評価を行った。はじめに屠体成績指標として屠体長、背腰長、背脂肪厚、肩脂肪厚、ロース面積、屠体幅、枝肉重量、生体重など10の評価項目を各供試豚毎に測定する一方、豚肉晶質指標としてロース肉色(明度指数、色相角、彩度、色度)、脂肪色、水分、肉粗脂肪率、マーブリング、pH、保水性、伸展率など14の評価項目を同じく各供試豚毎に測定した。
屠体成績の総合評価においては、第3主成分までを取り上げることにより約75%の累積寄与率が得られた。すなわち因子負荷量から第1主成分は背腰長T、Uおよび屠体長に由来すること、第2主成分はロース面積、第3主成分は肩脂肪厚などに関する因子であることが明らかとなった。一方、肉品質の総合評価に対しては第5主成分までの選択が必要であり、その際の累積寄与率は約69%であった。すなわち同様に因子負荷量から第1主成分は肉色の色相角、色度b*、明度指数L*に由来し、第2主成分は彩度および色度a*、第3主成分は肉粗脂肪率、水分、マーブリング、第4主成分は保水性、伸展率、第5主成分はpHならびにドリップ量等に関する因子であることが明らかとなった。
また、豚屠体を豚枝肉取引規格指標である枝肉半丸重量と背脂肪厚に基づき4等級に区分する一方、先の10の屠体成績評価指標に基づく主成分分析を行い、4等級の規格との整合性を検証した結果、現行の2つの規格指標に基づく等級区分に対して10の成績評価指標に基づく分類には等級間に交雑が認められ、現行の取引規格指標の検討の必要性が示唆された。キーワード: 屠体成績、豚肉品質、主成分分析、豚、品質評価