農業施設38巻2号
2007.9、101〜108
論文:

振動周波数及び振動方向がイチゴ果実の損傷に及ぼす影響

中村宣貴・梅原仁美・岡留博司・中野浩平・前澤重禮・椎名武夫

要 旨

 イチゴなどの軟弱な青果物は、流通過程での振動、衝撃により容易に損傷を受ける。本研究では、従来ほとんど検討されていない加速度1.0G以下の範囲において、イチゴ果実の損傷に及ぼす周波数および振動方向の影響を検討した。振動処理は、現行の形態で包装されたもの(果実2段詰めのトレイを段ボール箱詰め)を、ロープで振動台に固定して行った。上下振動での振動台とイチゴ果実との間の加速度伝達率を、加速度O.2〜O.75G、周波数3〜30Hzで測定した結果、加速度伝達率は加速度と周波数に依存性を示し、加速度が大きいほど加速度伝達率のピークは小さく、低周波数側にシフトする傾向が見られた。0.6Gでは、加速度伝達率が12〜30Hzで1.0より大きく、20Hzで最大値4.2を示し、30Hzでは2.6であった。加速度0.6G、周波数5、20、30Hzでイチゴ果実を加振処理した結果、損傷程度は20Hz>30Hz>>5Hzであり、加速度伝達率が大きく影響した。また、振動方向の影響を検討した結果、損傷程度は前後振動>左右振動>>上下振動であった。以上より、イチゴの損傷発生には、加速度だけでなく周波数および振動方向が強く影響することが分かった。

キーワード: イチゴ、損傷、振動、周波数、加速度伝達率、S-N曲線、3次元


農業施設学会