農業施設38巻2号
2007.9、109〜115
論文:

メタン発酵処理液の2段階電気化学的処理

阿部真・雷暁輝・前川孝昭・佐竹隆顕

要 旨

 FeとTi/Pt-IrO2の2種類の平板電極を用い、単一の電解セルでメタン発酵処理液の原液を対象として電気化学的処理を行った。希釈や固液分離を目的とした前処理を行う既往の研究に対して、本研究では処理過程において2つの異なる電極の極性を切り換え、連続的に2段階の電気化学的処理を行い、液中の懸濁物に対処すると同時に汚染物質の除去を試みた。本研究は実用化に向けた端緒の研究として、炭素(C)成分(TOC、IC)、窒素(N)成分(NH4-N、NO3-N)、リン(P)成分(TP、PO4-P)の濃度変化について調べ、効率的に除去できる条件を現象論的に検討した。
 アノードにTi/Pt-IrO2、カソードにFeを用いた第1処理においては、主に電極表面および液中のCIに起因する電気化学的分解により、C成分およびN成分が処理され、濁度は90%以上低下した。電極極性を交換した第2処理では、主にフェントン反応によりC成分の除去が進展し、さらに電気凝集によるP成分の処理効果も認められた。5時間(第1処理)と2時間(第2処理)の弱電流処理によって、TOCは約80%、TPは約70%,アンモニウム態窒素はほぼ100%除去できることを明らかにした。

キーワード: メタン発酵処理液、Fe電極、Ti/Pt-Ir2電極、電気浮上、電気凝集、フェントン反応


農業施設学会