農業施設38巻2号
2007.9、127〜139
論文:

乾燥法による穀物水分の測定の不確かさ評価

田中秀幸・矢部美保子・渡辺利通

要 旨

 近年、測定結果の質を保証するため、測定結果のトレーサビリティ確保の要求が高まっている。また、測定結果のトレーサビリティを確保するためには、国家計量標準にまで遡る測定機器の校正の各段階において、測定の不確かさ評価が必要となる。測定の不確かさとは、誤差・精度に替わる測定結果の信頼性を表す指標で、測定量間・国間でその評価法が統一されているものである。本論文では、乾燥法による穀物水分の測定における不確かさ要因と、不確かさ評価方法を明らかにし、その評価法を乾燥法による精白米の水分測定に適用し不確かさを評価した。その結果、乾燥法によって測定された精白米の水分は、13.96%±0.13%であった。ここで、0.13%は拡張不確かさである。最大の不確かさ要因は、粉砕器が異なることに起因する不確かさであった。その大きさは、標準不確かさで0.064%であった。一方、質量測定に起因する不確かさは、測定結果に影響を与えないことが分かった。その大きさは、標準不確かさで O.005%であった。また、穀物水分計を校正するための穀物の水分測定の不確かさ評価が可能となったことにより、穀物水分計の測定結果のトレーサビリティを確保する道を開いた。

キーワード: 不確かさ、トレーサビリティ、乾燥法、校正、穀物水分計


農業施設学会