発表要旨(2000年度大会)

  • A-1
  • 特殊ハッスイフィルター米袋による米の古米化防止機構の解析
  • 木村俊範・清水直人・辻本寿之(筑波大)

 常温貯蔵下での特殊ハッスイ米袋内の温度、湿度、炭酸ガス濃度、貯蔵中の玄米品質を測定し、特殊ハッスイ米袋による米の古米化防止機構の解析を行った。紙袋と比べてハッスイ米袋内の炭酸ガス濃度が僅かに高く、相対湿度が低く維持することを見出し、こうしたハッスイ米袋内ガス環境が常温貯蔵における玄米脂肪酸度増加抑制に影響する可能性があると考えられた。

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  • A-2
  • 全粒を用いた近赤外分光法による玄米の貯蔵変質の検出-試料の水分含量・温度・セルへの詰め方の全粒スペクトルに及ぼす影響-
  • 深見美帆・寺澤洋子・河野澄夫(筑波大)

 品温、試料の水分含量及び試料セルへの詰め方の全粒スペクトルへの影響を調べ、安定したスペクトル測定法を検討した。試料の詰め方の違いによるスペクトルの変動はMSC処理により低減できたが、その他の要因の場合データ処理による改善が図れないため、スペクトルのパターン解析ではこれらの要因を一定にする必要がある。

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  • A-3
  • 汚粒大豆のクリーニング装置の開発-クリーニング剤の効果-
  • 内田進・藤木徳実(佐賀大)・緒方英郎(JA佐賀)

 収穫時に大豆に付着した汚泥を除去する方法として、ボールミルを使用し、研磨剤(4種)、回転速度、処理時間を変えてクリーニング効果を明らかにした。その結果アルミナ大粒ボール(直径15mm)とジルコニナ小粒ボール(直径1mm)の混合比が1:10~20、回転数が200~250rpmで最も良好であった。

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  • A-4
  • 強電解酸性水による種籾の消毒処理
  • 吉田恭一郎(北海道大)・Min Jung Sik(CHEILJEDANG Corp. Korea)・五十部誠一郎(食総研)

 強電解酸性水の殺菌効果の確認と実際の消毒・殺菌等の総合防除への利用のため、種籾の消毒効果と種籾表面での微生物挙動観察を検討した。前処理後の浸漬処理により消毒効果が高まった。また、種籾表面観察によりその複雑な構造が明らかとなり、強電解酸性水と微生物の接触効率の向上のための処理法の検討の必要性が示唆された。

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  • A-5
  • 電解水によるカット野菜の殺菌-殺菌効果と品質への影響-
  • 小関成樹・伊藤和彦(北海道大)

 電解水(強酸性電解水と強アルカリ性電解水)によりカットレタスとカットニンジンを殺菌した時の品質変化を検討した。レタスではクロロフィル含量、ニンジンではβ-カロテン含量の変化を測定した。その結果電解水処理によるクロロフィル含量とβ-カロテン含量の減少は水道水処理と差がなく、処理時間に伴い減少量は増加した。したがって電解水処理が品質低下に悪影響を与えないことが明らかになった。

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  • A-6
  • 酪農生産システムの総合的評価-飼料基盤の異なる地域の5指標による比較-
  • 河上博美・干場信司・田村悠子・森田茂(酪農大)・野田哲治(JA浜中町)・徳川直人(東北大)・久保田学(NOSAI標茶支所)・池口厚男(畜試)

 経済性、エネルギー利用、窒素負荷、家畜の健康状態および人間の満足感の5指標を用い、飼料基盤の異なる2つの地域を評価対象とし、各指標の評価および地域的特徴を比較すると同時に、レーダーチャートによって比較することを試みた。

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  • A-7
  • 酪農生産システムの総合的評価-レーダーチャートによる生産システムの比較-
  • 田村悠子・干場信司・河上博美・森田茂(酪農大)・野田哲治(JA浜中町)・徳川直人(東北大)・久保田学(NOSAI標茶支所)・池口厚男(畜試)

 道東の一町村内の農家群を対象として経済性、エネルギー、窒素負荷、家畜の健康状態、人間の満足感の5指標を評価指標としたレーダーチャートで表すことを試みた。その結果、各農家の生産システムの特徴をパターンとして表現することができた。

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  • A-8
  • フスマを原料としたメタン発酵特性の評価
  • 坂田悦朗・織田敦・笈田昭(京都大)

 本実験では塩酸煮沸による前処理を施した可溶化フスマを原料に、水理学的滞留時間を変えてメタン発酵実験を行ない、メタン発酵モデルを適用して、可溶化フスマを原料とした場合のメタン発酵の最適な発酵条件を明らかにすることを目的とした。この実験で、水理学的滞留時間と投入有機物あたりメタン生成量、発酵槽容積あたりメタン生成量との関係が明らかになった。

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  • A-9
  • 太陽光発電併用メタン発酵システムの地域適用性の検討
  • 織田敦・笈田昭(京都大)・山崎稔(近畿大)

 太陽光発電を補助エネルギ源として併用した農業バイオマス用メタン発酵システムをモデル化し、京郁の気象データを用いて発電エネルギと消費エネルギの予測シミュレーションを行った。シミュレーションの結果は年間を通じて実測値とよく一致し、これをもとに日本の主要都市の気象データから、本システムの地域適用性を検討し、問題点を整理した。

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  • A-10
  • 軽油と廃植物油のエステル化処理した油を燃料とする小型高速ディーゼルエンジンの動力と排気ガス特性試験
  • 富田節雄・木谷収(日本大)・Kingshuk Roy(農研センター)・森嶋博(日本大)

 小型高速ディーゼルエンジンの燃料として軽油と廃植物油をエステル化処理した油の二種類を使用した場合の動力試験と排気ガス試験を試みた。軽油と処理油を燃料とした場合の動力や軸トルクなどは軽油の場合とほとんと同じであった。排気ガス特性試験は軽油に比べて二酸化炭素や窒素酸化物の発生量が少なかった。

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  • A-11
  • 冷温馴養メタン菌によるプラグフロー型2相式メタン発酵装置の運転
  • 伊藤信之・井上武雄(ダイシン設計)・井原一高(筑波大)・前川孝昭(筑波大/科学技術事業団)

 寒冷地向け2相式メタン発酵装置を北海道別海町に半地下型で構築した。隣接する牛舎から排出される40頭分の糞尿を投入原料とし運転を行った。発酵槽を覆った断熱材と盛土による断熱効果と、酸化槽を曝気して温度管理することによって、メタン発酵槽を冬期においてもガス生成に必要な20℃以上に保つことが可能であった。

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  • A-12
  • 冷温メタン菌の結合型担体による機能強化と家畜糞尿の固定床型メタン発酵処理
  • 李拍旻(科学技術事業団)・張振亜・前川孝昭(筑波大)

 栄養塩を包括した担体を作製し、その表面に低温域から採取したメタン菌を付着させ、栄養塩濃度を1000、5000、10000倍に変化させ、メタン活性に阻害が起こらない程度の最大栄養塩濃度を求める。メタン菌を高密度に滞留させるために、固定床メタン発酵槽を構築して、高速メタン発酵の可能性を検討する。

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  • A-13
  • 中温メタン菌の低温域への順化における脂質の変化
  • 李文奇・李拍旻(科学技術事業団)・張振亜・前川孝昭(筑波大)

 本研究では馴養したメタン菌の膜脂質の変化を調べた。馴養したメタン菌は主にMethanosarcinaMethanothrix種であることが推測される。同じ温度では負荷の増加に伴って中性脂質、糖脂質、リン脂質の量はそれそれ増加する傾向にあった。温度の低下に伴って、中性脂質、糖脂質は減少傾向にあったが、リン脂質及びその他は増加傾向にあった。

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  • A-14
  • メタン菌活性とビタミンB12含有濃度との関係
  • 楊英男・呂君・張振亜・前川孝昭(筑波大)

 本研究はメタン菌の活性とビタミンB12含有量との相関関係を調べた。培養開始後17時間までは対数増殖期を呈し、それと対応してビタミンB12の含有濃度も増大する傾向が見られた。メタン生成速度は安定期に入ると、ビタミンB12生成速度は減少し、その後、徐々に減少する傾向が見られた。対数増殖期間でビタミンB12含有濃度が最も高いことが確認できた。

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  • A-15
  • メタン菌培養液のCo/Fe比とビタミンB12生産性との関係
  • 呂君・楊英男・張振亜(筑波大)・張燕生(茨城科学技術振興財団)・前川孝昭(筑波大)

 CO2/H2資化性馴養メタン菌の培養液のCo2+を0.005g/Lに一定に設定し、Fe2+濃度を変化させた実験を行った。最適のCo/Fe比は0.5で、ビタミンB12の濃度は3.2mg/Lに達した。このCo/Fe比を超えると、ビタミンB12の含有量とメタン生成量は減少した。

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  • A-16
  • バイオガスを利用した小規模コジェネレーションシステムの開発-試作装置の基本特性-
  • 石井耕太・寺尾日出男・朴宗洙(北海道大)

 バイオガス・軽油の二燃料で運転されるディーゼル機関を用いた小型コジェネレーションシステムを試作し、基本性能の計測と燃焼解析を行った。バイオガス運転は低負荷時に発電効率が悪化するが、これはガス中メタンの未燃焼排出が増加すること、燃焼が遅れ十分な機械仕事にならないことが主因である。買電制度が整備されていない場合、低負荷での発電効率向上の対策が必要。

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  • A-17
  • 家畜排泄物用バイオガスプラントの建設に要する化石エネルギー量の試算例
  • 菱沼竜男・干場信司・森田茂・岡本全弘(酪農大)・池口厚男(畜試)・簗田貢(竹中工務店)・天野徹(北海道オリオン)

 家畜排泄物用バイオガスプラントの建設に要する化石エネルギー量の算出し、発生バイオガスによる余剰エネルギー量との比較を試みた。建設に要した化石エネルギー量は7,780GJであり、余剰エネルギーによって建設および運転エネルギーを回収するには50年以上かかると試算された。

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  • A-18
  • メタン発酵システムによる厨芥のバイオガス変換(第3報)-酸生成上澄液の分解・ガス化特性-
  • 賈俊業・北村豊・竹山光一(島根大)

 生ゴミ有機系廃棄物を中温二相式メタン発酵変換システムに着目し、その第二分解過程(相Ⅱ)であるガス化プロセスについて、生ゴミスラリーを原料とする汚泥返送式酸生成プロセスからの流出液を用いて、有機酸消費・ガス化特性を検討した。1人あたりの生ゴミ排出速度に対するメタン発酵システム基本設計指標を求めた。

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  • A-19
  • メタン菌の固定担体内の栄養塩拡散性に関する研究
  • 王宝明・張振亜・前川孝昭(筑波大)

 本研究では、高分子材料の栄養塩箇定化担体を試作し、担体内の金属塩の拡散速度と固定化材料との関係を解析し、メタン発酵の固定化栄養塩担体設計の検討を行った。拡散速度は同じ条件下で、金属元素によって異なる。拡散速度は、ゲル内の包括した金属塩の濃度に依存しない。又、拡散速度は、PVAの濃度の増加と伴に減少することを明らかにした。

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  • A-20
  • NAD(P)Hを用いたメタン発酵リアクタのモニタリング
  • 井原一高・前川孝昭(筑波大)

 メタン発酵リアクタをモニタリングするために、細胞内のエネルギー代謝に関与しているときれるNAD(P)H.A専用センサを用いて計測した。酢酸を基質とした発酵において、メタン生成速度が低い時はNAD(P)H.lは変動が少なく、反対にメタン生成速度高いときは、その値は安定していた。また、メタン生成速度はpHの安定性と関連がみられた。

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  • A-21
  • 植物工場におけるHACCPプラン作成例(第Ⅱ報)-微生物危害とその対策-
  • 豊田淨彦・Tsenkova N. Roumiana・丸山広志・大崎伸明(神戸大)・田本均(川鉄ライフ)・北村豊(島根大)

 植物工場における生産工程の把握と微生物環境の分析を行った。工程図、フローダイアグラム及び動線図を作成し改善点を検討した。ATP測定器を用いて、各個所での養液と葉面上の遊離ATP、微生物ATPを測定し、養液中の微生物は多いものの、育苗時の葉面は微生物汚染されていないことがわかった。

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  • A-22
  • 水産食品の宅配過程における実用モデルでの保冷試験と品温シミュレーション
  • 御木英昌・進藤穣(鹿児島大)・古別府昭仁(東京かねふく)

 HACCP方式に対応した品温管理支援システムの構築を目的に、チルド食品の宅配を想定した実用的モデルを用いて、環境温度が変動する場合でも適用できる水産食品の保冷試験を行い、その品温変化のシミュレーションを試みた。その結果本シミュレーションはHACCPに対応した品温管理に有用な手段となり得ると考えられた。

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  • A-23
  • HACCPに対応した監視・記録システム
  • 伊東文博・上野新一郎・豊田直樹(日立プラント建設)

 HACCPにおける監視・記録データは重要管理点の監視記録と一般的衛生管理事項の実施記録が必要である。特に、一般的衡生管理事項は施設・機器や従業員の衛生管理、害虫の駆除、原料・製品の取扱い等、多岐にわたっており、この記録を確実に行う事は現場の大きな負担になる。そこで、これらのデータを効率的に監視・記録し、しかもデータを目的別に検索し問題発生時の特定や予防措置に対応できるシステムを開発した。

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  • A-24
  • インターネット活用による農業生産総合管理システムの提案
  • 北村豊・喜多威知郎(島根大)・豊田浄彦(神戸大)・園部和彦(全農)

 インターネット環境を活用して、農産物に対する「品質」「安全」「環境」を満足する新たな生産管理システムの構築を提案する。これは既往のISO9000's、HACCP、ISO14000's等の生産管理システムを包含する総合管理システムである。これは上記3つのシステムに対応するデータベースサーバーと農家側端末によって構成される。

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  • A-25
  • 小麦表面の微生物殺菌に関する赤外線の効果
  • 濱中大介・道管伸介・安永円理子・黒木信一郎・胡文忠・内野敏剛・秋元浩一(九州大)

 本研究では照射出力0.5~2.0kW、照射時間10秒~60秒で連続的あるいは間欠的に乾燥小麦に赤外線照射を行い、効果的な殺菌法の検討を行った。その結果、出力200kWにおける間欠処理は連続処理に比べて低温度で高い殺菌効果を示したことから、高温による原料農産物の熱障害を軽減できる可能性が示唆された。一方、小麦の含水率は連続処理よりも大きく低下する結果となった。

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  • A-26
  • 異常鶏卵の非破壊検出法に関する研究(第3報)-自然発生した赤玉血卵の非破壊検出-
  • 中野和弘・臼井義彦・野口貴義(新潟大)・小竹奈央子(緑物産)・大塚雍雄(新潟大)

 褐色鶏卵において自然発生した異常卵の非破壊検出法について検討した.マルチスペクトルカメラでは正常卵と血斑卵の判別率は65.5%、正常卵と肉斑卵の判別率は60.3%であった。ニューラルネットワークによる判別では、正常卵の判別率は75.2%、異常卵(血斑+肉斑卵)は54.3%、総合判別率は62.2%となった。

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  • A-27
  • 商用無窓採卵鶏舎における粉塵濃度と空中浮遊細菌
  • 池口厚男・長谷川三喜・本田善文(畜試)・巽俊彰(三重畜試)

 畜産においてズーノーシス病原体等による被害が多くなり、生産現場での衛生管理技術の確立が求められるようになった。そこで本報は現状を把握することと、HACCP策定への基礎資料を提供するため空中浮遊細菌と粉塵濃度との関係を商用無窓採卵鶏舎を対象に測定した。空気力学径1~5ミクロンの粉塵と空中浮遊細菌濃度に高い相関が認められた。

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  • A-28
  • 搾乳前処理におけるノズル式乳頭洗浄装置の開発
  • 本田善文・長谷川三喜・池口厚男(畜試)

 加圧した洗浄液を噴射して非接触で乳頭を洗浄する装置を開発するために、おがくず、砂、牛ふんを付着させたゴム製模擬乳頭を供試して、リング状ノズルにおけるノズル端圧力とノズル配置を検討した結果、ノズル端圧力8~10kgf/cm2、噴出角15°の扇形ノズルを6個配置したものが適当であった。また、乳頭洗浄装置を構成し、電解酸性水を施用した時の殺菌効果を従来法と比較した。

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  • B-1
  • 作物誘引用ワイヤによる園芸施設の耐雪補強効果
  • 森山英樹(農工研)

 地中押し込み式パイプハウスの骨組構造に関する簡易な雪害対策として、作物誘引用ワイヤによる補強効果を明らかにした。通常およびワイヤを設置した骨組の解析モデルに積雪荷重を作用させ、パイプが降伏しない積雪深を求めた。その結果、約25cmの積雪深で塑性変形を生じるハウスにワイヤを設置すると、ハウス骨組の弾性挙動を許容する積雪深は約59cmまで増加することがわかった。

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  • B-2
  • コンポストガスの生態系再利用システムに関する研究(第2報)-コンポストガス回収液による作物栽培-
  • 加藤仁・東城清秀・渡辺兼五(東京農工大)

 コンポスト化過程で発生するコンポストガスを再利用する生態系再利用システムを構想した。本報はシステムを構成する一つであるロックウールを利用したアンモニア回収ユニットと作物栽培ユニットについて実験結果を報告するものである。実験の結果、アンモニア回収ユニットではアンモニアガスを約35%回収し、その回収液を作物栽培に有効利用できることが確認された。

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  • B-3
  • 不整形な傾斜圃場に適した平張型傾斜ハウスの開発
  • 長﨑裕司・川嶋浩樹・野中瑞生・的場和弘(四国農試)

 中山間傾斜地域の狭小・不整形な圃場に適した平張型傾斜ハウスの施工技術を開発した。建設足場用資材を利用し、低コストで強化構造を有したハウスが建設できる。フィルムを除く資材コストは3.3m2当たり0.8~1万円である。軒高が高くとれるため夏秋期の換気性が優れ、同時にハウス化により冬春作も可能となり、野菜・花き栽培の高品質安定生産が実現できた。

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  • B-4
  • ハウス内土壌水分の制御システムの開発研究(第4報)-ファジイ制御とON-OFF制御の比較-
  • 中野和弘・前田敏之・大塚雍雄(新潟大)

 ハウス内土壌水分の制御を、ファジィ制御とON-OFF制御で比較すると、収量と収入ではほぼ同等な結果となった。一方、土壌水分のコントロールという点では、ファジィ制御区ではON-OFF制御区より良好に目標pF値範囲内で推移したことから、ファジィ潅水制御はハウス内の土壌水分制御に有効であることが示された。

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  • B-5
  • Application of PIV System to Wind Tunnel Test for Greenhouse Ventilation Characteristics and Comparison with CFD Model
  • In-Bok Lee, Sadanori Sase, Limi Okushima(Natl. Res. Inst. of Agr. Eng.)

 The performance of two new techniques of Particle Image Velocimetry (PIV) and Computation Fluid Dynamics (CFD) were investigated for analyzing air flow distributions in naturally ventilated multispan greenhouses including their validity tests.

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  • B-6
  • 精密ろ過膜を用いた水耕培養液除菌装置の開発-実用化に向けて-
  • 大谷敏郎(食総研)・金子明子・福田直也・西村繁夫(筑波大)・蘒原昌司(食総研)・佐瀬勘紀(農工研)

 精密ろ過膜を用いた水耕培養液除菌装置を開発し、完全な除菌が可能なことから(1)養液の再利用、(2)栽培槽間の病原性細菌の伝染防止、に利用できることを明らかにした。一方、水耕栽培システム全体の菌数を低く維持し病気の蔓延を防くことは、システムの滅菌が難しいこと等から、実際上かなり困難であることが分かった。

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  • B-7
  • 低酸素濃度がキュウリ果実の呼吸に及ぼす影響
  • 安永円理子・富田景子・安武隼人・黒木信一郎・濱中大介・胡文忠・内野敏剛・秋元浩一(九州大)

 キュウリ果実の呼吸応答の遅れと、このことを考慮した場合の限界酸素法度について通気式呼吸測定法を用いて検討を行った。急激な酸素濃度の変化に対しては時間遅れが検出されたが、2~4%/hrの変化に対しては検出されなかった。限界酸素法度が3~5%の間に存在すると思われたため、キュウリ果実の包装条件の一つとして酸素温度は5%以上とすることが望ましいと思われた。

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  • B-8
  • 農産物の非アレニウス型呼吸特性について
  • 大西美咲・黒木信一郎・濱中大介・安永円理子・胡文忠・内野敏剛・秋元浩一(九州大)

 0~55℃の品温に対するリンゴ果実の呼吸特性を検討したところ、アレニウス式は10~40℃の範囲では適合したものの低温域と高温域では適合しないことが明らかとなった。このことから、0~55℃の広い温度範囲では、呼吸速度はS字曲線と逆S字曲線を組み合わせた曲線として捉えることが妥当と考えられた。

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  • B-9
  • 常温好気性バクテリア群で処理した豚尿を培養液とした野菜の養液栽培
  • 池田英男・斎藤高明・小田雅行(大阪府立大)

 豚尿を常温好気性バクテリア群で処理したものを培養液として養液栽培を行った結果、適宜希釈し、不足成分を補えば、養液栽培の培養液として利用可能であることがわかった。また、実用に当たっての問題点を指摘した。

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  • B-10
  • 中国在来型日光温室の環境形成機構について-現地計測実験結果-
  • 畔柳武司・山口智治(筑波大)・陳青雲(中国農業大)

 北京市郊外の中国在来型温室(日光温室)において環境計測を行った。温室内に到達する水平面全天日射量は屋外の約60%であった.また夜間の内外気温差は無加温条件で常に10℃程度を維持し、比較的優れた保温性能を持つことが判った。これは固体壁と土壌の蓄熱機能のためあるが、日中に固体壁へ蓄熱された熱量の多くは伝導を通じて外気側に失われていることも示唆された。

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  • B-11
  • 空気冷却および冷水冷却におけるキャベツの冷却過程解析
  • 椎名武夫・中村宣貴(食総研)

 表面熱伝達抵抗が無視できると考えられる冷水冷却におけるキャベツの冷却過程を非定常熱伝導理論によって解析し、温度伝導度を2.1×10-4(m2·h-1)と求めた。冷水冷却と空気冷却についてビオー数を試算したところ、92および8.5と求められた。ビオー数が球の冷却過程に及ぼす影響を解析し、表面熱伝達抵抗がない場合と実際の冷却との違いを評価した。

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  • B-12
  • 低温高湿度によるジャガイモの長期貯蔵
  • 伊藤和彦・樋元淳一(北海道大)

 ジャガイモの長期貯蔵の技術を確立することを目的として、従来の貯蔵方法より低温で高湿度に制御できる貯蔵庫を試作し、これを用いて貯蔵実験を行った。試作した貯蔵庫は温度むらも小さく、低温高湿度を精度良く制御できた。ジャガイモの質量減少率は貯蔵初期から2℃95%の条件で貯蔵した場合、収穫翌年の7月で3%、外気導入により徐々に冷却した場合、収穫翌年の4月で3%と非常に小さく抑えることができた。

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  • B-13
  • CA環境下における青果物の呼吸速度計測
  • 川越義則・成瀬智・大下誠一・瀬尾康久(東京大)

 温度とガス組成について、任意に環境条件が設定できる呼吸速度計測システムを構築し、二酸化炭素濃度がリーフレタスの呼吸速度に及ぼす影響について検討した。その結果、温度30℃、酸素濃度20.5%の一定条件下で、二酸化炭素濃度0%の場合は、呼吸商はほぼ一定であるのに対し、二酸化炭素濃度10%では経時的に呼吸商が変化していることから、高二酸化炭素濃度の影響により呼吸基質の構成割合が変化していることが推察された。

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  • B-14
  • 生産現場での低温貯蔵がカーネーション切り花の流通後品質に及ぼす影響
  • 中野浩平・前澤重禮(岐阜大)

 生産現場において、3~12日間、収穫直後のカーネーション切り花を5℃貯蔵した。その後、無貯蔵の切り花と同時に実際の流通ルート(集荷場-花卉市場-小売店-大学)で出荷し、流通・消費期間における品質について検討した。結果、12日間までの貯蔵は、無貯蔵花と同等の品質保持期間を有することが明らかとなった。

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  • B-15
  • 青果物からの極微弱発光計測
  • 蘒原昌司・大谷敏郎(食総研)・福田直也・西村繁夫(筑波大)

 本研究は極微弱発光現象の計測による青果物の品質評価法の開発を目的として、各種青果物の発光量や発光部位について検討を行った。また、周囲温度の影響についても検討を行った。葉ショウガ、エダマメ、スイカ、ズッキーニは非常に多く発光があり、緑色の青果物からは極微弱発光の測定が可能であった。しかしながら、根菜類への応用は難しいと考えられた。

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  • B-16
  • 千年の歴史,堂上蜂屋柿の伝統と製法
  • 秋元浩一・内野敏剛・胡文忠・安永円理子・黒木信一郎・濱中大介(九州大)

 堂上蜂屋柿よ永遠なれ!と、その存在を誇りに思い、その存在が地域の活力のもとにもなっている極上の干し柿「堂上蜂屋柿(どうじようはちやがき)」は岐阜県美濃加茂市蜂屋町に代々伝わってきた。この干し柿をめぐって織りなされた千年の歴史と長い時を経て伝承された微妙な製法が極上の味を作り上げた。文献:秋元浩一、千年の歴史の味、堂上蜂屋柿、新農林社、2000

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  • B-17
  • Study on Estimation of Quality Indexes of Kiwifruit Stored in Modified Atmosphere Packing
  • A. Addo, T. Satake(Univ. of Tsukuba), S. Ohmori(BRAIN), S. Sakiyama(Univ. of Tsukuba)

 Feedforward backpropagation neural network and statistical regression models were developed using external quality parameters of Kiwifruit as input data to estimate the internal quality parameters. The output of the networks were soluble solids content, titratable acidity, glucose and fructose.

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  • B-18
  • ニホンナシの模擬輸送実験における振動伝達特性
  • 劉蛟艶・田中宗浩・小島孝之(佐賀大)

 輸送中のニホンナシに加えられる振動の伝達特性を解明するために、5kg規格の出荷箱に詰められたニホンナシを用いて模擬輸送実験を行った。積み段数は3段、7段及び11段とした。実験の結果、積載段数が増加するにつれて、加速度伝達性は弱くなり、同時に低い周波数域(10~20Hz)での振動が大きくなることがわかった。

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  • B-19
  • 振動が鶏卵の損傷と品質変化に及ぼす影響
  • 中村宣貴(食総研)・中原亜理江(宮崎総農試)・Yueming Jiang(South China Inst. of Botany)・本谷憲朗(大喜商事)・椎名武夫(食総研)

 鶏卵の振動による損傷数、振動後5、10、25℃保存中のHaugh Unit変化、卵殻の最大圧縮荷重を測定した。①S-N曲線はN·G8.375=5.05×104で示された。②Haugh Unit変化は温度と日数に影響され、振動の影響は認められなかった。③卵殻の弱い個体の存在が輸送中の損傷要因の一つであると考えられた。

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  • B-20
  • 泡盛の熟度判定に関する基礎的研究
  • 秋永孝義・川崎聖司(琉球大)・田中宗浩(佐賀大)

 熟成年数が10年、12年、15年の同一メーカーの市販の泡盛を試料に、近赤外線分光分析による熱度判定の可能性を検討した。成分測定の結果、フーゼル油含有量、アルデヒド含有量、酸度が熱成年数に伴って増加の傾向にあること。850~900nm、750nmの波長の2次微分吸収スペクトルを用いてマハラノヒス距離による判別を行い、高い判別率を得ることができた。

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  • B-21
  • 密度とレーザ半透過光および電気特性による複合選果技術の開発-スイカの肉質障害果の判別-
  • 加藤宏郎(京都大)

 スイカの肉質障害果を判別するため、果実密度と835nmのレーザ内部拡散反射光およびインピーダンスを非破壊測定した結果、ウルミ(煮え)果は高密度で、内部拡散反射光が強くインピーダンスが小きかった。果実密度と非破壊計測による2周波抵抗比または内部拡散反射光を組合せた判別分析の結果、正常果とウルミ果の分布に明確な相違が見られ複合計測でウルミ果を判別できた。

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  • B-22
  • 画像情報による干しブドウの等級選別
  • 常勝威・佐竹隆顕(筑波大)・大森定夫・藤岡修(生研機構)

 汎用画像処理装置を用いて測定した新僵ウイグル自治区産干しブドウの総合的な外観品質情報と簡易カラーセンサーを用いて行った同干しブドウの色彩情報の測定結果を比較・検討した。簡易カラーセンサーにより等級の混在した干しブドウを秀、良、格外の3等級に区分できることが明らかとなり、経済発展途上国においても利用可能なコストパフォーマンスの高い画像処理干しブドウ選別機の開発の可能性を認めた。

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  • B-23
  • エチレン除去装置によるトマト食味保持効果の検証
  • 上田暢子・相良泰行・荒木徹也(東京大)・柳井康一(ゼオン化成)

 青果物の流通プロセスにおける新しい鮮度保持技術として着目されている「光触媒式エチレン除去装置」の品質維持果を実証するために、トマトを対象とした比較貯蔵実験と官能評価試験を行い、同装置の理工学的性能データと貯蔵トマトの官能評価、特に食味評価によりその有効性を確認した。

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  • B-24
  • リンゴのレオロジ特性計測に基づくテクスチャ評価法の考察
  • 山田員弘・都甲洙・相良泰行(東京大)

 食品のテクスチヤを定量的に評価するためには工学的な計測をする必要があり、その標準試験法と新しい物理的な指標の定義が重要である。本研究はリンゴを供試材料として、その破断およびクリープ試験法に関する標準法を確立するとともに、これらの試験結果よりテクスチャを定量的に評価するための各種パラメータを抽出して官能評価結果との対応関係につき考察した。

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  • B-25
  • スイカ共選施設における人-機械系作業効果分析
  • 都甲洙・相良泰行・荒木徹也(東京大)・川西啓文(日本大)

 本研究はシミュレーションによる共選施設の合理的設計および操業法を検討するための基礎的データを得ることを目的とし、スイカの空洞果を判定する密度計測装置と全表面画像計測装置を組み合わせた「ライフ指数測定装置」および箱詰めロボット、バレタイザなどの搬送設備を導入した松本ハイランドスイカ共選施設を対象とし、主工程における人-機械系の作業効果を調査、分析した。

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  • B-26
  • 澱粉質生分解性プラスチックの機械特性及び耐水性に関する研究
  • 陳野・張振亜・石川豊・前川孝昭(筑波大)

 押出成型により澱粉質生分解性プラスチックの試作を行い、機械特性及び耐水性について検討した。可塑剤(グリセリン)の添加は機械特性を向上させ、20%がその最適添加濃度であった。澱粉をアセチル化させることで、耐水性、機械強度を向上させることができた。示差走査熱量計、走査電子顕微鏡等の観察から、このフィルムが均一な表面構造をとることが明らかとなった。

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  • B-27
  • とうもろこし種子タンパク質ゼインを用いた生分解性フィルムの農業資材化への検討
  • 吉野智之(筑波大)・Raffi Paramawati(インドネシア農務省)・五十部誠一郎(食総研)・佐瀬勘紀(農工研)・前川孝昭(筑波大)

 とうもろこし種子蛋白質ゼインを用いた耐水性を有する生分解性フィルムを作成した。添加剤によりフィルムの柔軟性が向上し利便性が増加した。乳酸添加ゼインフィルムの土壌分解性が高く、環境負荷低減型の素材であることが示唆された。

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  • B-28
  • サトウキビトラッシュ分離システムの開発-水流式サトウキビ梢頭部,土砂除去装置の実用化研究-
  • 大村幸次・溜池雄志・上薗一郎・末川修(鹿児島農試)・宮部芳照・末吉武志(鹿児島大)・松元幸男(鹿児島県糖業振興協会)

 ケーンハーベスタの普及に伴い、収穫原料に混入するトラッシュが急増している。これらのトラッシュの中でも、除去が容易でない梢頭部と土砂の分離除去を行うために、水流選別装置の適応性について検討した。その結果、選別精度は高く、処理能力も高いことから実用性は高いことが確認された。

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  • C-1
  • 畜舎の臭気に関する研究(第9報)-廃棄物による脱臭効果-
  • 川西啓文(日本大)・福重直輝(草地試)・奥村隆志・伊東一(日本大)

 一般には廃棄されてしまうコーヒー滓、パルプ滓、茶ガラ滓、微粉状の炭、鉄粉を用いアンモニアとトリメチルアミンの脱臭能力を測定し検討を加えた。アンモニアにはコーヒー滓が、トリメチルアミンには茶ガラ滓が有利であることがわかった。

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  • C-2
  • 鶏ふん堆肥化施設における蓄熱式燃焼脱臭装置の開発
  • 本橋哲郎・田極春夫・桑原育朗(栗田工業)

 鶏ふん堆肥化施設で発生する高濃度のアンモニアや大量水蒸気を含む排ガスを、排水を発生させず効率的に処理できる「蓄熱式燃焼脱臭装置」を開発し、脱臭試験を行った。その結果、排ガスの臭気除去率は97.7%、アンモニア除去率は95.9%、他の臭気成分及び有機物の除去率は99%以上と高い除去率を得た。また、本脱臭装置の特徴である90%以上の熱回収により低コスト運転が出来た。

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  • C-3
  • 極寒冷地におけるコンポスト設備
  • 鈴木恒雄・小出英夫・志田勝美(日立プラント建設)・坂口宏明・西東幹造(愛和)

 寒冷地における堆肥発酵設備の通年運転を目的に加温方法を検討し、次の結論を得た。投入初期投階のみ加温してやることで、あとは加温無しでも継続して発酵することを確認した。温風ブロアによる加温方法は、寒冷地における加温方法として有効であることを確認し、熱源として灯油ボイラ等を採用することでランニングコストの低減をできる見通しを得た。

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  • C-4
  • 寒冷地用堆肥化施設の開発(2)-断熱と強制結露除湿機構を備えた堆肥舎での冬期堆肥化-
  • 向弘之・佐藤義和(北農試)・干場信司(酪農大)

 断熱と寒冷外気を利用した強制結露除湿機構を備えた堆肥舎を試作し、冬期間の牛糞堆肥化実験を行った。堆肥化初期には、大きな内外気温差が確保でき、良好な堆肥化が実現された。強制結露による除湿は、換気除湿に比べ熱的に有利であることが確認された。堆肥化中の材料水分減量分の約4割が強制結露により回収され、また窒素減量分の約2割が結露水中に溶込んで捕集された。

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  • C-5
  • ふん尿処理施設の作業時間と滞在強度
  • 佐藤義和(北農試)・干場信司・森田茂(酪農大)・小川秀雄(神奈川大)

 「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が施行されたのを機にふん尿処理施設の滞在強度に関する調査(アンケート、聞き取り、実測)を行った。堆肥舎と撹拌発酵施設の滞在強度は44±33(人・時間/50m2・年)であった。この数字は干場ら(1997)が調査した搾乳牛繋ぎ牛舎の滞在強度458±267(人・時間/50m2・年)の約10分の1である。

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  • C-6
  • 凍結脱水法を用いた乳牛ふん尿の堆肥化-凍結脱水法による乳牛ふん尿スリラーの脱水-
  • 木村義彰・高橋圭二(根釧農試)・稲野一郎(十勝農試)

 凍結脱水法を用いた乳牛糞尿スラリーの脱水量および残留固形分を室内試験にて検討した。その結果、凍結処理を施した乳牛糞尿スラリーの脱水率は処理前の重量に対して約20~50%であった。また、残留物の固形分濃度は処理前の固形分濃度に対して1.3~2.1倍に増加した。

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  • C-7
  • 低温メタン発酵脱離液の再分解特性と脱アンモニアの予備検討
  • 北村豊(島根大)・井上武雄(ダイシン設計)・前川孝昭(筑波大)

 中温メタン菌の低温馴化発酵リアクタ脱離液の高度処理とメタンの再回収を目的として、中温メタン発酵による低温メタン発酵脱離液の再分解特性を実験的に明らかにした。また脱離液の再分解に伴うアンモニア阻害の対策として、消化汚泥の脱アンモニア特性を粒状ゼオライト利用の回分吸着試験により予備的に検討した。

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  • C-8
  • Dry Methane Fermentation System for Livestock Manure (2) - Characteristics of Start-up on Rotational Drum Methane Fermentation -
  • Jiang Wei Zhong, Yutaka Kitamura, Noriaki Ishizuka(Shimane Univ.)

 Attenpting to characterize the Rotational Drum Fermentation System (RDFS), which seemed to be available for anaerobic treatment of non- or low water-dilution livestock manure (called here Dry Methane Fermentation (DMF)), four sets of experiments

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  • C-9
  • 乳牛糞尿系メタン発酵実証プラントの運転状況-高温メタン発酵処理の実例-
  • 永井達夫・坂川竜昭・今下清隆(日本製鋼所)

 有効容積10m3のメタン発酵槽を核とする、メタン発酵実証プラントを設置し、乳牛糞尿を720kg/日連日投入処理している。有機酸、アンモニア性窒素の蓄積傾向もなく、比較的順調な発酵挙動を示し、有機物負荷(平均)1.5、2.1、3.7kg-vs/m3/日で、平均有機物分解率27%、平均メタンがス濃度58%、平均単位投入有機物あたり0.3m3/kg-vs/日のバイオガスが得られた。

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  • C-10
  • 逆浸透膜による高濃度アンモニア含有汚水の濃縮と浄化
  • 向弘之(北農試)・大谷敏郎(食総研)

 堆肥化施設での熱交換や除臭に伴って発生する、高濃度にアンモニアを含有する汚水を、逆浸透膜を用いて濃縮・浄化することを試みた。無処理のアンモニア含有汚水は、逆浸透膜でアンモニアを分離できなかった。しかし、硫酸を添加して中和する前処理を施し、逆浸透膜で分離・濃縮することで、汚水量の8割以上を排水可能な水に浄化し、あわせて肥料として利用が見込まれる濃度の高い硫酸アンモニウム水溶液を得ることができた。

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  • C-11
  • 十勝地方における豪雪による農業施設の被害状況について
  • 細川和彦(北海道工大)・小林敏道(日江金属)・干場信司(酪農大)・苫米地司(北海道工大)

 本報では、2000年1月に十勝地方で発生した豪雪による農業施設の被害状況について調査した。豪雪の状況は、他地域における過去の豪雪と同様、少雪寒冷な十勝地方における雪害対策の脆弱性を呈した。農業施設に及ぼした被害も甚大であったが、他の建築物に比べ滞在強度が少ないためか本格的な調査が行われなかった。今後は、適切な調査を行い対策を打たなければ再び同様な災害が起こるであろう。

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  • C-12
  • 堆肥舎に用いられる屋根葺材の滑雪特性について
  • 中村祐一郎(北海道工大)・小林敏道(日江金属)・干場信司(酪農大)・苫米地司(北海道工大)

 本研究は、堆肥舎等に一般的に用いられる屋根葦材を対象に屋外滑雪実験を行い、屋根葦材の滑雪特性について検討したものである。その結果フッ素系フィルムは、低勾配においても滑雪現象を頻繁に発生させる。屋根上積雪荷重の推移状況および滑雪現象の発生は、接触角や動摩擦係数などの材料特性の影響をうける。従って、屋根葦材の差異が屋根上積雪荷重の設定およびコスト面に大きく影響することが明らかとなった。

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  • C-13
  • 畜舎施設における基礎断熱併用スカート断熱工法の適応に関する研究
  • 小林敏道(日江金属)・干場信司(酪農大)・苫米地司(北海道工大)

 凍結深度の穏和手法である基礎断熱併用スカート断熱工法における畜舎施設への適応を検討するため、北海道の既存畜舎施設を対象に実験を行った。その結果スカート幅60cm程度であれば畜舎建築においてもスカート断熱工法による棟結深度の緩和が十分に可能である。また、スカート断熱工法を施工した基礎は、未処理工区に比べ凍結深度が40cm程度緩和できることが明らかとなった。

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  • C-14
  • コンクリート製古電柱を利用した堆肥舎屋根の試作
  • 干場信司・菱沼竜男・森田茂(酪農大)・村野實(シオン電機)・奥村昿洋(札幌電設工事)・冨士本捷征(フジックス工販)・堀江和美(木質構造研究所)・小川秀雄(神奈川大)

 コンクリート製古電柱を利用して堆肥場の屋根を低コスト化することを目的とした。振れ止用横桁(タイビーム)を用いた三角構造(A型フレーム構造)の屋根を建設し、施工時および施工後の状況を把握するとともに、問題点の整理を行った。

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  • C-15
  • PC古電柱の耐力確認実験-畜産施設への再利用に向けた検討-
  • 小川秀雄(神奈川大)・干場信司(酪農大)

 資源の再利用及び低コスト畜舎への有益性を考え、PC古電柱を畜産施設に使用する場合の強度確認実験を行った。使用した電柱は製造後経過年数が10年未満から40年以上の18本である。実験結果・考察では、電柱の湾曲程度による耐力の相違を明らかにするとともに、経過年数による耐力の相違が少ないこと、薄肉の断面特性を考えた使用に向けた提案について述べている。

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  • C-16
  • ラグーンにおける簡易雨水分離法
  • 高橋圭二・木村義彰・稲野一郎(根釧農試)

 簡易スラリー貯留施設(ラグーン)での雨・雪の混入を防止するための簡易な雨水分離方法を開発し、実規模施設での雨水分離状況、シートの耐久性などを検討した。雨水分離シートは、ラグーンを空にした状態でスラリー投入・搬出用ホースを固定し、その上にラグーン全体を多う形で設置する。設置後、上部にあおり止めとして水を投入する。1年半の貯留試験の結果、雨水の分離が可能であった。

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  • C-17
  • 畜舎スリット床面における流れ特性のシミュレーション
  • 星典宏・山口智治(筑波大)

 スリット床面を採用した無窓畜舎を対象として、舎内での複数の小間隙(スリット床面)を通過する流れの解析を試みた。個々の間隙の詳細な流れよりも全体としての気流特性を把握することを目的としたものである。ポーラス・メディア法を用いて、スリット床面を特定の多孔率を持つ構造体として近似することによる数値的可視化シミュレーションを検討し、その適用の可能性を示した。

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  • C-18
  • つなぎ飼い牛舎での給水量計測システム
  • 長谷川三喜・池口厚男・本田善文(畜試)

 牛舎内の水分発生源の削減について検討を進めるため、つなぎ飼い牛舎における飲水行動の計測制御システムを制作した。本システムは流量センサ出力データを無線LANで送ることが出来、また電磁弁の開閉による給水量制御も可能である。収録された時間帯別の1ヶ月間の延べ給水回数・給水量を見ると、搾乳採食後は格段に多い給水が確認された。1回当たりの給水量は1-2L/回が最も多かった。

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  • C-19
  • 搾乳ロボット付属フリーストール牛舎での排糞調査
  • 長谷川三喜・本田善文・池口厚男(畜試)・安部好文(大分畜試)・川村輝雄・高橋達典(岩手畜試)

 既報で搾乳ロボットを使用して不定時多回搾乳を行っているフリーストール牛舎での搾乳牛の排糞行動についての調査したが、夏季についても同様の調査を行い両者の相違を検討した。両調査ともstall近傍への落下糞量が格段に多く、パドック側通路での排糞の大部分はストール利用に関わる行動で惹起されると考えられる。

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  • C-20
  • 自動搾乳機を活用したフリーストール牛舎の検討
  • 森田茂・韮澤栄樹・杉田慎二・干場信司(酪農大)・平山秀介・時田正彦(酪総研)

 本研究は、自動搾乳機を有効に利用するためのフリーストール牛舎の検討を目的として実施した。乳牛の自動搾乳機進入口付近での待機行動の特徴から、乳牛が待機するスペースは必要ないと考えた。また、採食行動の平準化から3列のストールを配置した牛舎でも飼槽列長は不足せず、3列以上のストール配置の可能性も示された。

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  • C-21
  • 廃水の電気化学的処理法に関する研究
  • 馮伝平(茨城科学技術財団)・井原一高(筑波大)・于海業(吉林工業大)・杉浦則夫・前川孝昭(筑波大)

 水素生成細菌Enterobacter aerogenesの水素生成に対する微量金属塩の影響で調ベた。MnCl2、FeCl2、CoCl2、CuSO4、それぞれ無添加の場合の最大水素生成値は対照区の最大水素生成値の1.41、1.28、1.26、1.14倍であった。CuSO2などの添加によって、水素生成を阻害したことが分かった。

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  • C-22
  • 水素生産菌Enterobacter aerogenesの増殖と水素生成に対する微量金属塩の影響
  • 趙書雲・張振亜・C. P. Norman・前川孝昭(筑波大)

 水素生成細菌Enterobacter aerogenesの水素生成に対する微量金属塩の影響で調ベた。MnCl2、FeCl2、CoCl2、CuSO4、それそれ無添加の場合の最大水素生成値は対照区の最大水素生成値の1.41、1.28、1.26、1.14倍であった。CuSO4などの添加によって、水素生成を阻害したことが分かった。

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  • C-23
  • 小型タンクによる培養したアガリクス・ブラゼイ・ムリル菌糸及びその培養液中のβ,D-グルガン含有量
  • 院多本華夫・辻出穂・前川孝昭(筑波大)

 優れた機能性食材と言われるアガリクス・プラゼー・ムリールの子実体から菌糸を採取し、発酵槽培養を行った。子実体と比ベて菌糸のβ,D-グルガン含有量は少ないほうであったが、培養済みの培養液にもβ,D-グルガンの存在が確認された。培養方法によって菌糸のみならず培養液の有効利用が考えられる。

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  • C-24
  • 磁性スラッジを用いた高速脱窒リアクターの開発
  • 平田桂・杉浦則夫・前川孝昭(筑波大)

 硝酸態窒素低減化対策の一環として、磁性スラッジを用いた高速脱窒リアクターを考案した。本研究はとくに、貧栄養水に対して栄養源を供給しつつ、高速脱窒リアクターによる脱窒を試みた。サブリアクターを用いた磁性スラッジを用いた高速脱窒リアクターの処理効果はHRT9時間で安定するが、HRTを2時間と短くすると除去能力が著しく低下した。

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  • C-25
  • 畑酪混合地域における地域内循環に伴う窒素負荷の低減
  • 猫本健司(ズコーシャ)・干場信司・河上博美・田村悠子・森田茂(酪農大)・池口厚男(畜試)

 畑酪混合地域である北海道十餅管内S町の酪農場群を対象として、窒素の収支を調査した。その結果、畑作との連携による地域内循環(敷料と堆肥の交換や畑作物粕類の家畜飼料への利用)により、酪農場における窒素負荷は低減していることが推察された。

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  • C-26
  • 乳牛糞尿スラリー高温メタン発酵におけるスカム層の挙動
  • 西上智之・松岡文雄(東芝プラント建設)・梅津一孝(帯畜大)

 高温メタン発酵におけるスカム生成挙動をガラス窓を備えた発酵槽にて観察し、撹拌有無の影響を比較検討した。原料を1L/日投入し、発酵温度55℃、滞留日数20日とした。結果、スカムは微小ガス泡と共に浮上する固形分により成長し、撹拌はスカム層の生成を抑制し、発酵効率を向上させ、ガス発生量の増加をもたらした。

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  • C-27
  • 生ごみ処理機による食堂厨芥の堆肥化-異なる副資材を用いた長期運用結果の比較-
  • 前田武己・坂本和孝・松原啓・松田從三・近江谷和彦・中嶋博・由田宏一(北海道大)・鈴木譲治(静岡製機)

 微生物分解型生こみ処理機による、学生食堂より排出される生こみの堆肥化について検討した。材料全体、副資材、排出堆肥の積算有機物質量は運転日数に対して直線的に増加した。今後は、材料単独あるいは副資材単独の分解特性を検討する。

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  • C-28
  • 近赤外線分光法を用いた湖水水質のモニタリング
  • 張燕生(茨城科学技術振興財団)・張振亜(筑波大)・井上武雄(ダイシン設計)・杉浦則夫・前川孝昭(筑波大)

 霞ヶ浦水質浄化において重要な物質の硝酸塩、リン酸塩、アンモニウム、Fe塩等の近赤外スペクトルを解析・考察し、上記同塩類において近赤外スペクトルの共通の特徴が見出された。さらに、霞ヶ浦湖水の懸濁態NとP、湖水への排水のN、Pの近赤外分析を行い、上記項目の近赤外分析法が可能であることを明らかにした。

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  • P-1
  • 攪拌オーガーによる籾乾燥の確率論的モデル化
  • 関平和(金沢大)・竹中等(明和工業)

 大規模穀類乾燥調整貯蔵施設では膨大な運転費節減のため、静置型挽拝乾燥機への変換が望まれている。この観点から、新籾入荷直後の一次乾燥において、ビン下部の過乾燥による胴割れを防ぐ目的で、撹拌オーガーを備えた籾乾燥プロセスの開発が進められている。本研究では、この方式に着目し籾の乾燥むらの程度を小さくするためのオーガーの効果を定量化することを目的に、確率論を用いた乾燥プロセスの理論解析を試みた。

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  • P-2
  • 青果物の鮮度保持の省エネルギー貯蔵技術に関する研究
  • 孫貴宝・院多本華夫・石川豊・前川孝昭(筑波大)

 省エネルギー貯蔵技術を開発することを目的とし、高圧静電場処理におけるブルーベリーの貯蔵効果及びベルチェ効果に基づく電子冷蔵によるブルーベリー及びイチゴの貯蔵効果を検討した。高圧静電場における処理は腐敗の発生などを抑制した。電子冷蔵は精密な温度制御が可能であり、冷凍機冷蔵より青果物の腐敗発生率は著しく抑制され、果実の貯蔵寿命が延長された。

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  • P-3
  • 近赤外分光法に基づくメロン内糖度分布の可視化
  • 蔦瑞樹(東京大)・杉山純一(食総研)・相良泰行(東京大)

 冷却CCDカメラを用い、撮影波長を変化させてメロンの果肉断面の画像を撮影した。近赤外分光法に基づき、得られた画像の各ピクセルの輝度値を874nmおよび902nmにおける吸光度の2次微分値に変換し、あらかじめ作成しておいた検量線を適用して糖度を算出した。得られた糖度値をカラースケールでマッピングすることにより、果肉断面の糖度分布を可視化した。

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  • P-4
  • メタン発酵消化液の土壌還元に関する基礎研究
  • 林峰之・梅津一孝・近藤練三(帯畜大)

 乳牛糞尿のメタン発酵処理において、有機性廃棄物を添加したメタン発酵ではバイオガス生成は55℃の高温発酵の方が有効であることが明らかとなった。消化液の窒素成分については乳牛糞尿に有機性廃棄物を添加することによりアンモニア態窒素が大幅に増加し、窒素肥料価値が著しく高められるが、乳牛糞尿に有機性廃棄物を添加した消化液を土壌に添加した場合には窒素の硝化作用が抑制されることが明らかになった。

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  • P-5
  • 水産廃棄物と乳牛糞尿の混合メタン発酵-ホタテウロとの混合発酵-
  • 神崎康裕・加藤雅幸・梅津一孝(帯畜大)

 本研究では、水産廃棄物であるホタテウロと乳牛糞尿の混合メタン発酵について回分法にて検討し、阻害要因及び最適環境条件、カドミウム濃度を明らかにすることを目的とした。メタン発酵実験では、ホタテウロ添加割合5~10%までは成長曲線モデルに高い相関を示した。添加割合が高くなるに従い相関は低くなった。また、低加水混合液において、ホタテウロ添加割合が20~30%の区では

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  • P-6
  • イチゴ栽培における省力化技術 第一報-イチゴ培養苗大量生産システムの開発-
  • 米津雄一・小田文明(クボタ)

 イチゴ農家の苗増殖及び育苗作業の省力化を図るために定植苗の供給を目的としたイチゴ培養苗大量生産システムを開発した。液体培地、培養容器、健苗化技術、多段式振とう培養などを開発することにより、計算上1個の生長点から40週間で約700万本のウイルスフリー苗が生産できるシステムを開発した。

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  • P-7
  • イチゴ栽培における省力化技術 第二報-イチゴ高設栽培システムの開発-
  • 宮田尚稔・上中哲也・小田文明(クボタ)

 本研究は、無機土壌培土を使用し元肥を0とした高設養液栽培法の確立を目的とした。従来の培養液濃度管理に加えて、投入肥料の絶対量を制御するために、生育段階毎の植物体養分(N)吸収量を推定した。試験結果から、導かれた推定量は土壌の状態変化に影響し、それは植物体の生育速度と関係があることが示され、肥培管理技術の一助となりうることが示唆された。

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  • P-8
  • 温室における温熱環境と作業者への熱ストレス
  • 奥島里美・佐瀬勘紀・石井雅久・In-Bok Lee(農工研)

 2連棟切妻型温室に続いて、15連棟フェンロ型温室および4連棟プラスチックハウスについて運動時の熱中病発生指標として用いられているWBGT(Wet Bulb Globe Temperature)を測定した。その結果、いすれの温室内においても冬期晴天日中時には積極的な水分補給が必要な注意レベルのWBGTが発生していることがわかった。また、フェンロ型温室内高所で作業する場合は地上作業よりさらに注意が必要であった。

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  • P-9
  • 水耕における水温が植物体に及ぼす影響
  • 宮本眞吾・世良田和寛・内ヶ崎万蔵・大沼寛(日本大)

 本研究では、水耕栽培を用いて養液の温度だけを制御することにより、根圏の温度制御を行うだけで夏期や冬期の栽培が可能かどうかについて検討した。養液を冷却することで、植物体の温度低下が認められた。ただ、冷却温度は低ければよいというわけではなく、それそれの温度域での最適温度があると思われる。また、湿度の違いによる温度低下の変化も認められた。

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  • P-10
  • 豚尿汚水処理水を用いた養液栽培技術の開発
  • 田中宗浩・鈴木一弘・小島孝之(佐賀大)・脇屋裕一郎・西村弘(佐賀畜試)

 豚尿汚水処理水を用いた菜菜類の養液栽培試験を行い、処理水の液肥化利用への可能性を検討した。その結果、サラダナ及びチンゲンサイは、処理水による水耕栽培において、市販の水耕培養液と同等の良好な生育を示すことが確認された。また、成分不足による生育障害の発生や汚水処理施設の処理能力変動の影響も認められなかった。

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  • P-11
  • 大気放射冷却を利用したハイブリッド蓄冷式冷蔵システムの試作
  • 小綿寿志・奥山武彦(農工研)

 大気放射冷却のアクティブ集蓄熱を行い青果物の予冷・冷蔵に用いるためのコンセプトを示し、スカイレジエータを用いて夜間に冷水を製造する水蓄熱式冷房と既存の氷蓄熱式冷房の機能を兼ね備えた冷蔵システムを試作した。3~4月の無負荷運転では、好条件で補助冷熱源なしでもほば終日10~14℃の冷房が可能な日がある一方、夜間に冷熱蓄熱量がほとんど得られない日もあった。

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  • P-12
  • 米のポストハーベストHACCPのための微生物成長予測モデル
  • 豊田淨彦(神戸大)・前川孝昭(筑波大)

 米のポストハーベストにHACCPを適用することを前提に、コウジカビの成長計測への電気インピーダンスの応用と成長予測モデルの作成を試みた。カビの成長に伴いインピーダンス伝導成分は増加傾向を示し、誘導期、対数増殖期、減速増殖期に対応した挙動が確認された。インピーダンス測定値はGompertz式の成長曲線とよく一致し、本測定法はHACCPへの応用に適した測定法といえる。

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  • P-13
  • Modeling of Sweetpotato Hot Water Treatment for Sprout and Fungal Control
  • R. L. Urasa, S. Tanaka, F. Tanaka, K. Morita(鹿児島大)

 Proper post-harvest handling of sweetpotato [Ipomea batatas (L.)] is an important link in the chain from producer to consumer or manufacturing industry. In normal practices roots intended for storage should be cured immediately after harvest. However, curing alone can not remove the entire microorganism infections and control of sprouting.

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  • P-14
  • 強酸性電解水の大腸菌に対する不活性化
  • 正留純子・守田和夫・田中史彦・田中俊一郎(鹿児島大)

 大腸菌を指標とし、その不活性化について強酸性電解水の持つ効力を検討した。①濃度変化による不活性化②不活性化速度③一般消毒剤との比較④遊離塩素・pH・ORP値と不活性化との関係について実験を行った。大腸菌と強酸性電解水の混合比を1:20以上、接触時間を3分以上、遊離塩素を9.6ppm以上、pHを2以下、ORP値を1100mV以上に設定することによって高い不活性化が起こった。

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  • P-15
  • 数理モデル解析による殺菌評価ソフトの開発-HACCPに基づく生産管理のために-
  • 田中史彦・守田和夫・田中俊一郎(鹿児島大)

 HACCPに基づく生産管理ではシステム工学的観点からのアプローチが最終的に求められるが、個々の要素についての管理基準を定めることもその重要な課題のひとつである。そこで本研究では、加熱殺菌評価法について重点的に取り上げ、数理モデルによる温度・菌体数変化についてのシミュレーションを行うことで、殺菌効果の指標を示す評価ソフトの開発を行うことを目的とした。

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  • P-16
  • 大豆の吸水過程における形状変化の測定
  • 田中俊一郎・守田和夫・田中史彦・R. L. Urasa・近藤昌次(鹿児島大)

 大豆は吸水の過程で膨張することが知られている。本研究では大豆の吸水特性を明らかにするとともに、吸水による膨張度合いと含水率との関係をヒクノメータによる体積測定、ノギスによる3軸長さの測定、CCDカメラを用いた画像処理による体積測定によって明らかにした。この結果について報告する。

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  • P-17
  • Non-Destructive Method for Analysis Internal Structure of Seeds Using Machine Vision System
  • Manzo Uchigasaki, Kazuhiro Serata, Shingo Miyamoto(Nihon Univ.)

 Tomato (Lycopersicon esculentum Mill.) seed cultivars exhibit different chemico-physical proprieties, such as internal structure (hypocotyl and endosperm), which affect the germination ratio. The overall goal of this research was to study the application of a machine vision system and a light transmi

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  • P-18
  • 3次元バイオイメージングに関する研究
  • 山本晃生・工藤謙一・都甲洙(東京大)・小川幸春・杉山純一(食総研)・相良泰行・樋口俊郎(東京大)

 マイクロスライサ画像処理システムを用いて得られた情報を元に、農作物や食品の成分分布を3次元的に表示するシステムを構築した。また、大型3次元画像装置を用いて、試料をスライスして得られた画像情報を、バーチャルリアリティーの元データとして活用する事により、農産物や食品の内部構造などを忠実に再現し、あたかもそれらの内部に人がいるような仮想空間の構築を行った。

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  • P-19
  • 米粒内部成分の3次元分布可視化
  • 小川幸春・杉山純一・大谷敏郎・蘒原昌司(食総研)・工藤謙一・樋口俊郎(東京大)

 米粒内部成分の3次元分布を明らかにするため、自動精密ミクロトームを用いて玄米粒全部を切片化して粘着テープ上に回収し、化学染色によってタンパク、デンプンおよび脂質を可視化した。続けて、それそれの切片をデジタル画像として記録し、コンピュータ内に集積することで3次元画像を再構成した。その結果玄米一粒中での主要成分の3次元分布が可視化された。

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  • P-20
  • 凍結材料内氷結晶3次元構造の計測法
  • 田畑みづほ・都甲洙・相良泰行・工藤謙一・樋口俊郎(東京大)

 本研究の目的は生物及び食品の凍結プロセスにおいて材料内に形成される氷結晶を立体的に鋭察し、更に氷結晶(氷柱)の構造、サイズ及びその材料内分布について定量的に計測する方法を開発することにある。本研究では供試材料に生牛肉を選び、その組織を蛍光試薬により染色して氷結晶と組織を識別し、マイクロスライサ画像解析システムにより3次元的に観察する方法を確立した。

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  • P-21
  • インゲン豆の薄層乾燥特性
  • 田川彰男(千葉大)・村松良樹(東京農業大)・谷野章・飯本光雄(千葉大)

 3種類のインゲン豆の薄層乾燥特性を、数投階の乾燥条件下で測定した。3種類のインゲン豆の乾燥は減率乾燥第2段で行われ、拡散方程式の近似解に測定データを当てはめモデルの推定を行った。3種類の豆には無限円筒モデル、無限平板モデルが適当で、これらのモデルに直接非線形最小二乗法を適用して計算し、測定結果との比較からモデルの妥当性を示した。

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  • P-22
  • もみ殻マルチの効果に関する基礎的研究
  • 市来秀之・清水一史(生研機構)・森田孟治・玉城麿・赤地徹・宮平守邦(沖縄農試)

 これまでにもみ殻をマルチ資材として利用する技術の基礎的研究を行い、雑草防除効果、地温上昇抑制効果等を認めた。今回は地温への影響等を主に報告する。試験の結果、もみ殻マルチは日中の地温を高める効果は秋頃はほとんどないが、6月頃は認められ、また夜間は保温効果があることが分かった。一方、地温上昇抑制効果は高く、高温を嫌う作物栽培で利用の可能性を認めた。

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  • P-23
  • 揉みの作用を利用した釜炒り茶用炒り葉機の開発-回分式および連続式炒り葉機の試作-
  • 槐島芳徳・永田雅輝・日吉健二(宮崎大)

 本研究の目的は、釜炒り茶の品質を向上きせる新しい炒り葉機の開発である。炒り葉工程で炒りの過不足が混在する「炒りむら」は、製茶の品質を低下させる要因である。本研究では、この炒りむらの解消と炒り葉機における熱の利用効率を高めるため、「揉み」の作用を利用した回分式および連続式炒り葉機の開発を行った。今回は、その性能試験の結果について報告する。

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  • P-24
  • イチゴの収穫ロボット用摘採ハンドに関する基礎研究
  • 永田雅輝(宮崎大)・曹其新(上海交通大学機器人研究所)・槐島芳徳・日吉健二・石野文俊・中島竜佑(宮崎大)

 

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