発表要旨(2019年学生・若手研究発表会)

  • P-01
  • Study on Characteristics on Sea-bucktorn Micro Wet Milling and Spray Drying
  • ○Ulziibat ODGEREL, Islam Md ZOHURUL, Yutaka KITAMURA and Mito KOKAWA (Univ. of Tsukuba)

 Sea-buckthorn (Hippophae rhamnoides) (SB) contains different kinds of nutrients and bioactive components. The aim of this study was to produce concentrated whole SB fruit juice powders by the application of two techniques, namely micro-wet milling (MWM) and spray drying process. MWM was carried out by varying the different feeding rate as 40, 60, 80, 100 mL/min and rotational speed of 20, 30, 40, 50 rpm respectively. The minimum particle size of the SB juice obtained from 40 mL/min and 50 rpm, which was about 13.2 µm. MWM was successfully produced good emulsion of SB juice. The concentrated SB juice was then spray dried to make stable powder with the combination of maltodextrin as carrier. The drying parameter was set as inlet temperature of 120 ℃, outlet temperature 75 ℃, feeding rate 300 mL/min and pressure 2.1 kg/cm2. Spray drying was successfully produced SB juice powder with 65.6 % total recovery. We predicted that combinations of VSD and MWM could be applied industrially for the production of SB juice powder.

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  • P-02
  • 超音波洗浄による生体影響
  • ○菊池涼雅・羽鳥祥瑛・宇野秀太朗(栃木高校)

 私達は超音波洗浄による生体への影響について研究しております。その理由は、超音波洗浄についての研究はまだ進んでおらず、不明な点も多いと考えたからです。そこで、私達は小型の超音波洗浄機を用いて、食物や花を洗浄し、どのような影響が現れるか検証しました。例えば、もやしは硬くなりました。ピーマンの苦味が薄くなりました。鶏肉の菌が減りました。このような研究をして、超音波洗浄の効果及びその原因を解明しようとしております。よろしくお願いします。

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  • P-03
  • 弱酸性水噴霧による離乳豚舎内のエアロゾル濃度および空気中微生物濃度の低減
  • ○竹鼻直之(宇都宮大)・名出貴紀(東京農工大)・池口厚男(宇都宮大)

 病原体はエアロゾルに付着し、空気伝搬することが知られており、畜舎内のエアロゾルを低減することは防疫につながる。本研究では離乳豚舎内を対象に弱酸性水噴霧によるエアロゾル濃度、空気中微生物濃度の低減効果を明らかにすることを目的とした。噴霧粒径200 µm、噴霧量10.0 mL/m3の条件で噴霧を行った場合、噴霧直後のエアロゾル質量濃度(PM10.0)が22.2%、空気中一般生菌濃度が61.8 %低減した。噴霧量1000 mL、噴霧粒径200 µm、噴霧間隔15分で2日間の連続噴霧を行い、噴霧区と対照区で比較した場合、エアロゾル質量濃度(PM10.0)が35 %、空気中一般生菌濃度が25.7 %低減した。

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  • P-04
  • 水挽玄米の安全性評価に対する購買要因への影響
  • ○坂壮一朗・北村豊・粉川美踏(筑波大)

 本研究は、湿式微細化技術によって製造される水挽玄米の安全性の評価に対する購買要因への影響を明らかにすることを目的とする。我が国は食品衛生法の改正により2020年までにHACCP及びその考え方に基づく衛生管理の実施を全食品関連事業者に対して求めている。そこで、水挽玄米の製造においても安全性を可視化する認証が必要であると考え、製造工程における危害要因分析を実施した。この分析から今後、改善措置を検討し、安全性を確保する。また、水挽玄米の安全性に対する購買要因への影響に関しても今後、消費者や食品事業者を対象としたアンケート、ヒヤリング調査を実施してどの程度、関連性があるか明らかにしていく。

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  • P-05
  • 音響的手法を用いるコナジラミ類のバイオタイプ識別法における雑音の影響評価
  • ○佐藤広隆・中林大樹・海老原格・水谷孝一・若槻尚斗(筑波大)・久保田健嗣(農研機構 中央研)

 コナジラミ類は、トマトなどの施設野菜に被害をもたらす農業害虫であり、種やバイオタイプによって農薬耐性が異なる。我々の研究グループでは、コナジラミ類の微小な発生音がバイオタイプ毎に異なることに着目し、音響的手法を用いることで、バイオタイプを識別する手法を確立してきた。しかし、コナジラミ類の発生音のSN比と、識別精度の関係はこれまで明らかになっていなかった。そこで、本研究では、様々なSN比のコナジラミ類の発生音に対して、識別器を適用し、その有効性を評価した。その結果、SN比を-5 dBまで悪化させても、90 %を超える識別精度を有することを確認した。

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  • P-06
  • 乗用トラクタとコンバインの危険要因に見る機械特性の違いについて
  • ○棚橋拓也(宇都宮大)・青柳悠也(東京農工大)・松井正実(宇都宮大)・武田純一(岩手大)・三浦秦(宇都宮大)

 農作業事故のリスク低減には危険要因を明らかにすることが重要である。本研究では、日本農村医学会が行ったトラクタおよびコンバインの事故調査結果から、危険要因を抽出・整序し、各機械の上位の要因について比較・検討を行った。その結果、トラクタは重心が高く旧型式ではロプス非装着機もあることから「安全性や操作性の低い機械」が重大事故の主要因であった。一方、コンバインは機体の大きさと操作席の配置により死角が生じ、道路からの逸脱が多いことから「操作席からの死角が多い構造」が重大事故の主要因であった。各機械には利用目的に沿った特性があるため、それに応じた対策を行うことが効果的なリスク低減に資すると考えられる。

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  • P-07
  • Utilization of Fermented Rice Milk as Novel Coagulant for Development of Paneer (Soft Cheese)
  • ○Amini Rasool KHAN, Yutaka KITAMURA, Mito KOKAWA and M. Z. ISLAM (Univ. of Tsukuba)

 In this study fermented rice milk was used as a coagulant for a special kind of soft cheese (Paneer). Rice milk was produced by MWM (Micro wet milling) system in a process where brown rice was firstly soaked in water in a 1:2 ratio for 5 hours then coarse ground with a home use grinder for 3 minutes followed by micro grinding with the MWM system at 50 rpm. Prepared rice milk was pasteurized and gelatinized, gelatinized rice milk was used for optimization of saccharification process by the Glucozyme enzyme as SS (saccharification then fermentation) and by SSF (simultaneous saccharification and fermentation) methods. Samples from SSF were chosen for Paneer making as coagulants. The fermented rice milk was used in different ratios as paneer coagulant. Dairy whole milk was heated to 88 ℃ and cooled to 85 ℃ and then fermented rice milk was added as coagulant by different ratios. Paneer was prepared and stored at refrigeration temperature for storage stability. Results from analysis and sensory evolution showed that Paneer prepared with rice milk was overall accepted and there was no defect observed for 12 days of storage.

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  • P-08
  • 近赤外線照射がカットレタスの保蔵性に及ぼす影響
  • ○小林航汰・小川幸春(千葉大)

 近年、カット野菜の需要は増大しており、それに伴い消費者の購入意識は鮮度などの品質を重視するようになってきている。最近の研究で近赤外線照射が収穫後青果物の蒸散抑制に効果を持つことが示された。近赤外線の生理活性に対する影響は未確認の部分が多いが野菜の品質保持機能に影響を及ぼす可能性があり、それらの現象を利用すればカット野菜の保蔵性向上も期待できる。そこで本研究ではカットレタスの保蔵性向上を目的として、近赤外線照射がカットレタスの品質に及ぼす影響を調査した。

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  • P-09
  • 製茶機械のサイズが茶葉の特性に及ぼす影響
  • ○Qin WEI(千葉大)・山田龍太郎・荒木琢也(農研機構 果茶研)・小川幸春(千葉大)

 近年、日本茶の海外に輸出と国内の消費量が増加している。時代の変化に伴って茶葉の製造技術は大量生産化が進んでおり。一部分の伝統的人工製茶(手揉み)は機械的に製茶になることを変える。しかしながら。製茶機械のサイズが大きくなるほど、生産されるお茶の品質が悪くなるとの報告がある。そこで本研究では、製茶機械サイズが茶葉の構造と成分溶出性に及ぼす影響を調査した。異なるサイズの製茶機械を変更し、製茶機械によって製茶した茶葉の表面構造について観察した結果と各茶葉の総ポリフェノール溶出性と溶出液の抗酸化性を報告する。

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  • P-10
  • 風洞における昆虫飛翔行動モニタリングシステムの構築
  • ○宮本隆典(筑波大)・田端純(農研機構 中央研)・戒能洋一(筑波大)

 総合的害虫管理の一手段として害虫の行動制御を行うにあたり、その飛翔特性を知ることは重要である。本研究では、風洞における赤外線付きビデオカメラでの撮影と画像処理を用いた個体追跡による、昆虫の飛翔行動モニタリングシステムを構築し、チャ栽培における重要害虫であるチャノコカクモンハマキ(以下チャノコ)雄成虫のフェロモン源への定位飛翔行動を観察した。風洞の床パターンが風向きに対して平行なストライプであるとき、垂直なストライプであるときよりも平均飛翔速度が有意に高いことが確認され、飛翔軌跡にも変化が見られた。このことから、チャノコは配偶者探索のための飛翔時において、視覚刺激の影響を受けることが示された。

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  • P-11
  • 実験豚舎における金属柵衝突音検出システムの検証
  • ○渡邊活・味藤未冴来・水谷孝一・善甫啓一・若槻尚斗・海老原格(筑波大)・竹前喜洋・西藤岳彦(農研機構 動衛研)

 我々の研究グループでは、豚の呼吸器感染症の感染を早期に検出するために、マイクロフォンを用いてブタのくしゃみ音を測定する研究を実施している。一方、豚舎では、くしゃみ音の他に様々な騒音が発生しており、特にブタが金属柵に衝突する音(金属柵衝突音)は、くしゃみ音との分別が容易ではないことが明らかになっている。そこで、ブタが金属柵に衝突した際の振動を圧電素子により測定し、マイクロフォンでの測定信号から金属柵衝突音を除去することで、くしゃみ音のみを選択的に測定できるシステムを構築した。提案システムを実験豚舎に設置し、14日間連続して運用した結果、安定したデータ収録が実現できることを確認した。

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  • P-12
  • 微酸性電解水による水挽玄米加工のための殺菌操作
  • ○伊東茉奈美・北村豊・粉川美踏(筑波大)

 当研究室の先行研究が対象としてきた水挽玄米(ライスミルク等原料)とは、玄米を生のまま水とともに粉砕して得られるペースト状の食素材である。本研究では安全性の高い水挽玄米加工を目的とし、課題である玄米の非加熱殺菌を微酸性電解水(以下電解水)を用いて行った。殺菌操作は浸漬(攪拌あり・なし)と洗浄過程に用いた。結果、浸漬過程においては玄米試料に対して電解水の浸漬水量を増やすことで殺菌効果は上昇し、その効果は攪拌を加えることで向上した。洗浄過程においては、高い殺菌効果を示し、洗浄開始30~60秒後には生菌数は99 %以上殺菌された。

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  • P-13
  • 水蒸気蒸留法を用いたホップからの主要香気成分の抽出
  • ○飯田加南子・齋藤高弘・田中都・田村匡嗣(宇都宮大)

 近年ホップ香の強いクラフトビール人気が高まっている。ホップの香気成分を抽出したホップオイル(以下HO)は完成したビールに添加するため本来醸造工程の加熱で揮発するホップ香を保持できる。水蒸気蒸留法において抽出時間や植物原料の品種の違いは精油の香気成分に影響する。本研究では水蒸気蒸留法においてホップ品種や抽出時間の違いがHOの香気成分に与える影響を明らかにすることを目的とした。Citra、Nugget、Simcoeのペレットホップを用いて抽出時間を60、120、180分とし、香気分析はSPME/GC-MS法を用いた。抽出時間に従ってモノテルペン割合は減少しセスキテルペン割合は増加した。ホップ本来の香気成分組成に最も近いのは抽出時間60分のホップオイルだった。

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  • P-14
  • 光条件が香味菜の生育、含有成分に与える影響
  • ○新谷加奈子・齋藤高弘・田村匡嗣(宇都宮大)

 消費者の健康志向を受けて、機能性野菜の開発が盛んに行われている。宇都宮大学では、機能性新型野菜として香味菜が2015年に種苗登録された。香味菜は高い抗酸化成分を含んでいる。植物工場では、光条件により、含有成分を増加させられる。そこで、本研究では光条件が香味菜の生育、含有成分に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。人工光型植物工場で蛍光灯、LEDを用いて栽培した。LED区では、赤色光と青色光の照射割合を調整した。移植後27日目において、赤70 %青30 %区の草丈が26.2 cmと有意に高い値を示した。L-AsAは全試験区で39~55 mg/g F.W.含有され、最も高かったのは赤30 %青70 %区であった。青色光が植物体にとってストレスになることが推察された。

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  • P-15
  • 微細湿式粉砕機によるリンゴ果実中プロシアニジン抽出量増加の検討
  • ○沖野聖矢(筑波大)・庄司俊彦(農研機構 食品研)・粉川美踏・北村豊(筑波大)

 近年の研究からリンゴ果実中のポリフェノールの一種であるプロシアニジンが血中のLDL値を下げる効果があると期待されており、生鮮品における機能性表示食品に設定されたことから注目を集めている。プロシアニジンは細胞中の液胞に多く含まれており、適切な粉砕方法を用いることでプロシアニジンの抽出量を増大させることが可能であると考える。一方、市販のリンゴ果汁における搾汁方法ではプロシアニジンを最大限抽出できているか疑問が残る。本研究では、当研究室で開発された微細湿式粉砕機を用いて細胞レベルでのリンゴ果実粉砕とHPLCによるプロシアニジン定量を行い、粉砕段階の異なる試料と比較することで粉砕方法による抽出量の差異を調べた。

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  • P-16
  • 電気インピーダンス測定を用いた熟成牛肉の非破壊分析法の検討
  • ○大川真里奈・粉川美踏・北村豊(筑波大)

 迅速、簡易、および非破壊的な牛肉の分析方法の一つとして、電気インピーダンス測定に着目した。牛肉を熟成させる過程で筋原線維の脆弱化が起こるが、このとき筋線維に対して垂直方向のインピーダンスが低下する。インピーダンス測定を用いて熟成牛肉の評価を目指す先行研究では、電極と試料の接触度合いや不均一な筋線維の方向を目視で判断していたことが、測定値の誤差の原因となっていた。本研究では、上下、回転する電動ステージを利用し、より高精度かつ安定的に牛肉の非破壊分析を行うことを目指した。筋線維に対して様々な方向に電気を流し、インピーダンスの最大値と最小値の比を求めたところ、熟成に伴ってその比が小さくなった。

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  • P-17
  • 昆虫の鳴き声を利用した狭小領域での位置推定
  • ○土屋充志・水谷孝一・若槻尚斗・海老原格(筑波大)

 近年、コオロギなどの昆虫において聴覚系と行動を結びつけるような研究がなされている。そのような研究を行う際に昆虫の鳴き声とそれを発した個体を結びつけることで個体間のコミュニケーションなどにも着目することが可能となる。本研究ではそのようなモニタリングシステムを実現するために昆虫の鳴き声を利用した音源位置推定を提案する。計測装置の試作を行いスピーカ音源による精度評価を行なった。またコオロギを用いての実験評価を行いコオロギの位置推定に利用可能であることを示した。

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  • P-18
  • 豚の動画像モニタリングに必要な教師データの作成支援システム
  • ○佐藤拓弥・味藤未冴来・水谷孝一・善甫啓一・若槻尚斗(筑波大)・竹前喜洋・西藤岳彦(農研機構 動衛研)

 豚産業において、養豚農家一戸当たりの飼育頭数は増加しており、豚の健康管理効率化の必要性が高まっている。これまで筆者らは、動画像から豚の行動判別を行うシステムの構築を行ってきており、精度の高い行動判別を行うために機械学習を用いた豚の頭部方向認識が必要となった。しかし、機械学習を用いた豚の頭部方向認識において、分類器を作成するために教師データの作成が必要となる。今回の検討では、豚の頭部方向認識を行うために必要な教師データ作成を支援するシステムを作成した。

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  • P-19
  • ハイテン鋼管を用いたパイプハウスの強度に及ぼすパイプ断面サイズならびに間口・アーチピッチの影響
  • ○松本宗一郎・成行義文・生田晴大・源貴志・井上貴文(徳島大)・大沼健・道本忠敏・山本哲也・田中辰弥(大和鋼管)

 気候変動が激しい我が国ではパイプハウスによる施設園芸が普及しているが、その設計・施工技術は経験に基づいている場合が多いため強雨や積雪によるパイプ部材の破損等の被害が後を絶たない。近年従来材の約2倍の強度を持つ高張力鋼管(ハイテン鋼管)が開発されパイプハウスにも使用されているが、その風・積雪荷重に対する強度の検討は十分に成されていない。本研究ではハイテン鋼管を用いたより合理的なパイプハウスを計画するための基礎的な研究として、風・積雪荷重を受けるパイプハウスの立体フレーム弾性解析結果を基に、パイプ断面サイズならびに間口・アーチピッチ等がパイプハウスの強度に及ぼす影響について検討したものである。

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  • P-20
  • Effect of Maturity on in vitro Starch Digestibility of Saba Banana [Musa 'saba' (Musa Acuminata x Musa Balbisiana)]
  • ○Florencio REGINIO Jr. , Sunantha KETNAWA, Takeo SHIINA and Yukiharu OGAWA (Chiba Univ.)

 Saba banana [Musa 'saba' (Musa acuminata x Musa balbisiana)] is one of the most popular banana cultivars in the Philippines where it is often used as an alternative food staple to rice. The study was conducted to evaluate the effect of maturity on the digestibility of starch in Saba banana. The stage of ripeness of the pulp was determined using peel color index, which was divided into 5 stages, 1, all green; 2, green but turning yellow; 3, greenish yellow; 4, yellow with green tips; and 5, yellow with brown flecks. Changes in the physicochemical properties such as moisture, resistant starch, total starch, and sugar contents were also examined at different stages. Among the maturity stages, the unripe stages, which also showed the highest starch content, had the highest rate of starch hydrolysis. These findings suggested that the maturity stages of Saba banana may influence the rate at which starch is digested due to the physicochemical changes accompanying maturation.

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  • P-21
  • 音声特徴量を用いるコナジラミ類の種・バイオタイプの高精度識別の試み
  • ○中林大樹・水谷孝一・海老原格・若槻尚斗(筑波大)・宇賀博之(埼玉県 農技研)・久保田健嗣(農研機構 中央研)・石井雅久(農研機構 農工研)

 農業害虫であるコナジラミ類は、バイオタイプ(遺伝子型)毎に有効な化学農薬が異なる。従って、コナジラミ類を効果的に防除するためには、バイオタイプの迅速な識別が不可欠である。本発表では、コナジラミ類が種・バイオタイプ毎に異なる音を発する事実に着目し、発生音の特徴量を利用して種・バイオタイプ識別を試みる。世界各国に分布しているオンシツコナジラミ・タバココナジラミバイオタイプB、Q1、Q2について、その発生音データを取得し、メル周波数ケプストラム係数を用いて特徴量を抽出し、種・バイオタイプの識別を行った。その結果、適合率93.3 %、再現率92.4 %の精度で、種・バイオタイプの識別が可能であることが明らかになった。

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  • P-22
  • 米ゲルと豆乳を用いた嚥下食品向け素材開発
  • ○梶山梨帆・北村豊・粉川美踏(筑波大)

 近年日本では、高齢化に伴い嚥下困難者が増加しており、形態やとろみなどを調節した嚥下食品も販売されているが、物性の制御が難しいという問題点がある。一方、米ゲルとは、高アミロース米を粒のまま炊飯、糊化させ高速せん断加工することにより出来るゲル状の素材である。米ゲルは水分量によって様々な硬さに調節することが出来るため、米ゲルを用いることで嚥下困難者でも摂食しやすい食品素材の開発が出来ないか、と考えた。また、この米ゲルに豆乳を加えることで、少量でも栄養価の高い食品素材を開発することを目指した。本発表では、豆乳で炊いた米ゲルの、豆乳含有量と豆乳の種類が硬さに及ぼす影響、また栄養成分量について検討した。

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  • P-23
  • 脱水条件と解凍法が凍結野菜の品質に及ぼす影響
  • ○山本陽斗・村松良樹・坂口栄一郎・川上昭太郎(東京農業大)

 デハイドロフリージング(DF)は、凍結前に脱水処理された青果物を凍結貯蔵する保存法で、青果物の長期貯蔵法の1つとして研究されている。生鮮野菜のDFに関する報告は幾つかあるが、ブランチングを施した野菜についての研究例はみあたらない。本研究ではブランチングを施したニンジンについてDF処理を行い、2種類の方法(空気および減圧過熱解凍法)で解凍した。本研究の目的は、ブランチングした試料へのDFの適用性や最適条件を検討すること、解凍法が解凍・復水特性に及ぼす影響を調べることである。ブランチング処理し凍結した試料と比較した結果、DFの前にブランチングした試料は復水後の試料のテクスチャーを改善することができた。

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  • P-24
  • サーモグラフィで計測した豚の表面温度と直腸温度の関係性
  • ○出口和希・味藤未冴来・富樫宏太・佐藤拓弥・海老原格・水谷孝一(筑波大)・竹前喜洋・西藤岳彦(農研機構 動衛研)

 近年、日本国内の養豚農家一戸当たりの平均飼育頭数が増加していることによる豚インフルエンザの拡大が問題となっている。そこで、罹患個体を非接触かつ早期的に発見できることが求められている。本研究では豚インフルエンザの症状のひとつである発熱に着目し、サーモグラフィを用いて発熱の症状を発見することを目的とする。豚房内にサーモグラフィを設置して17日間に亘り豚インフルエンザに感染した豚個体のモニタリングを行った。そこから、サーモグラフィで計測した表面温度と直腸温度の相関観察を行った。

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  • P-25
  • 水挽玄米の添加による氷菓の物性改善
  • ○高橋朋也・北村豊・粉川美踏(筑波大)

 アイスクリーム類の喫食時の問題の一つとして、融けて垂れ流れることが挙げられる。また氷菓では、安定剤がなければ凍結時に糖類の濃縮が起き、喫食時の官能性に影響を与える可能性がある。そこで本研究では、ショ糖溶液に水挽玄米を加え氷菓を作製し、安定剤に代わるデンプンの有効性を明らかにする。水挽玄米の添加量が増加するに従って、氷菓の滴下開始時間は遅くなる一方、その後の滴下速度は段々大きくなることがわかった。また一定量以上の水挽玄米の添加によりショ糖の凍結濃縮を防ぐことが確認できた。よって水挽玄米の添加量を調整することにより、氷菓が融けて垂れるのを遅らせ、味の偏りなく食せることが示唆された。

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  • P-26
  • ロケットストーブ用燃料収容型火格子
  • ○松本隼人・森川裕斗・本間寛己(松江高専)

 本研究ではロケットストーブにおける燃料投入方法を変更することで、燃焼の安定化を図る。燃料には木質ペレットを使用しているため、一定時間ごとに燃料を投入する必要がある。一回の投入量、投入間隔、投入方法によって燃焼状態が変化してしまう問題がある。また燃料を投入し続ける必要があるため、投入量によっては過剰投入になる問題もある。そこで燃料を縦長の金網に収容し、燃焼が終わり次第、自重で落下し新しい燃料が安定的に投入される燃料収容型火格子を検討する。

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  • P-27
  • コナジラミ類の振動感受性の検証
  • ○西島也寸彦・水谷孝一・海老原格・若槻尚斗(筑波大)・久保田健嗣(農研機構 中央研)・宇賀博之(埼玉県 農技研)・石井雅久(農研機構 農工研)

 コナジラミ類の増殖の抑制は、施設園芸において重要な課題である。我々の研究グループでは、これまで、コナジラミ類の交尾活動に、振動による交信が重要な役割を果たしていることを明らかにしてきた。一方、コナジラミ類が有する振動感受性に関しては、未だ明らかになっていない点が多い。例えば、コナジラミ類は200~600 Hzほどの振動を用いて交信しているが、どの程度の大きさの振動を捉えることが出来るのかは不明である。そこで、本研究では、様々な振幅の振動をコナジラミ類に与えたときの、コナジラミ類の行動を観察することで、コナジラミ類の振動感受性を検証した。

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  • P-28
  • 無洗米製造の副生水を原料とした飲料加工~液化糖化連続プロセスの確立~
  • ○大川真由子・北村豊・粉川美踏(筑波大)

 無洗米は、精白後の米の表面に残ったヌカを取り除くことで作られます。製造途中で生成する副生水には、豊富な栄養が含まれています。そのため、高い栄養価を生かした副生水の活用法が求められます。そこで本研究では、副生水中で麹菌を連続的に培養して液化・糖化を行い、飲料加工を目指しています。

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  • P-29
  • MA包装がエダマメ中のスタキオース蓄積に及ぼす影響
  • ○飯田礼・北澤貴裕・梅原仁美(千葉大)・Manasikan THAMMAWONG・中野浩平(岐阜大)・椎名武夫(千葉大)

 エダマメは、栄養価が高く、近年多くの国で消費されている。しかしエダマメは、呼吸速度が大きく、収穫後急速に品質が低下する。中野ら(2014)は、エダマメの鮮度指標としてスタキオースが使用できることを報告している。そこで本研究では、MA包装(MAP)の有無がエダマメ中のスタキオースの蓄積に及ぼす影響を調査した。異なる包装条件でエダマメを16日間10 ℃で貯蔵し、単糖から四糖までをHPLCで分析した。その結果、非MAPで、ラフィノース含量にわずかな増加が見られたが、MAPでは変化は見られなかった。スタキオースは、非MAPで蓄積したが、MAPでは蓄積が顕著に抑制され、MAPの鮮度保持効果が示された。

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  • P-30
  • 機械学習法に基づく豚くしゃみ音分類器における教師データ収録環境の影響
  • ○味藤未冴来・青木拓也・水谷孝一・善甫啓一・若槻尚斗・前田祐佳(筑波大)・竹前喜洋・西藤岳彦(農研機構 動衛研)

 豚インフルエンザは農家に対し重大な経済的損失を与える。これまで筆者らは、感染によってくしゃみ回数が増えることに注目し、感染発見のために豚舎環境で収録された音響イベントをくしゃみ音と環境音に分類してきた。一般に、ここで用いられているような機械学習法に基づく分類器は、教師データを用いてパラメータチューニングを行う。教師データを様々な収録環境で多種収録することにより、様々な環境において高い分類性能を発揮する。反対に、同一豚舎においても、収録環境次第で分類性能は変化すると考えられる。そこで本稿では、複数の収録環境で教師データを収録し、分類器に与える教師データによるくしゃみの分類性能の影響を比較した。

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  • P-31
  • 堆積された木質チップの通風乾燥における送風空気条件が乾燥におよぼす影響
  • ○坂上樹来・有藤翼・本間寛己(松江高専)

 現在、加温ボイラーの燃料に木質バイオマスを使用することが検討されている。木質バイオマスの一種である木質チップは、加工された際に含水率が高いため燃焼効率が悪く、予め乾燥させる必要がある。木質チップの自然乾燥では、水分の蒸発が保存状態によって左右され、微生物の代謝による発熱が自然発火の原因になるので、設置が簡単で発火の恐れが少ない堆積式の通風乾燥が研究されている。本研究では、木質チップの通風乾燥において送風する空気の流量、温度を変化させ、秋季と冬季に乾燥させたときの影響を評価する。また、乾燥に使用した総エネルギーを算出し、最適条件を検討する。

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  • P-32
  • 米糠へのマイクロ波加熱処理がこめ油の品質に与える影響
  • ○市村怜佳(東洋大)・奥西智哉(農研機構 食品研/東洋大)・岡留博司(農研機構 食品研)・安藤泰雅(農研機構 野花研)・矢野友啓(東洋大)

 米糠には多くの有用物質が含まれ貴重な国産の植物油原料となっている。しかし搗精後に米糠は急速に劣化することからその利用は限定的であり、有効な米糠利用が課題となっている。これまでマイクロ波加熱処理(MW)により米糠中の脂肪酸度の上昇が抑制できることを示してきた。本研究ではMWで得られる含有脂質の品質について知見を得た。溶媒抽出したこめ油の過酸化物価(POV)を酢酸-クロロホルム法、カルボニル価(COV)を比色法でそれぞれ測定した。MWによるPOV、COVへの影響は見られず、1週間の保存試験中も変化はなかった。MWは米糠含有脂質の品質劣化及び脂肪酸度上昇を抑制する有効な方法であると考えられる。

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  • P-33
  • 実験豚舎におけるワイヤレス音響波センサの試作運用
  • ○後藤叡史・味藤未冴来・海老原格・水谷孝一・若槻尚斗(筑波大)・竹前喜洋・西藤岳彦(農研機構 動衛研)

 近年、呼吸器感染症に感染したブタのくしゃみ回数が増加する現象に着目し、音響的にブタの健康をモニタリングする仕組みが提案されている。この仕組みは、複数の音響波センサを有線で接続し、ブタのくしゃみ音や、くしゃみをしたブタの個体位置を検出する。音響波センサを無線で接続できれば、ブタの健康をモニタリングする仕組みの展開がより容易となる。そこで、ワイヤレス音響波センサを試作し、実験豚舎において、その試験運用を行った。試験運用の結果、試作したワイヤレス音響波センサは、既存の有線音響波センサよりも機材の展開が非常に容易であり、14日間に亘って、安定したデータ収録が実現できることを確認した。

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  • P-34
  • マイクロフォンアレイを用いるコナジラミ群中の音源個体位置推定に関する検討
  • ○於保拓高・水谷孝一・海老原格・若槻尚斗(筑波大)

 コナジラミ類は農業害虫である。農薬による化学的駆除が行われているが、世代サイクルが短いために薬剤耐性を獲得しやすく、現に薬剤抵抗性のバイオタイプが近年確認されている。そのため、新たな防除法を模索するために、コナジラミの生態解明が必要である。特徴的な生態の一つとして、音を用いて、互いにコミュニケーションをしていることがこれまで分かっているが、その音響活動に関する詳細は解明されていない。本研究では、先行研究(マイクロフォンを2個使用した擬似的な位置推定)と異なり、新たに16個のマイクロフォンを葉表上に展開可能かつ同時収録可能なシステムを提案する。音源個体位置推定の実験結果も合わせて報告する。

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  • P-35
  • Beverage Process using By-product Water of the Production of Wash-free Rice as Raw Material - The Continuous Process of Lactic Acid Fermentation -
  • ○Fang JIA, Yutaka KITAMURA and Mito KOKAWA (Univ. of Tsukuba)

 Wash-free rice is a new type of rice product developed in Japan which does not require washing before cooking. One way to produce wash-free rice is washing by water and then drying by hot air. Through this process, by-product water will be produced, which has high nutritional value (protein, carbohydrate, dietary fiber and lipid). Nowadays, by-product water is mainly used to produce liquid feed for pig raising. In this study, by-product water of wash-free rice is used as raw material and selected three kinds of commercial starter culture for lactic acid fermentation. During the optimization of lactic acid fermentation condition of by-product water, a kind of lactobacillus fermented nondairy beverage will eventually be produced. Simultaneously, through the combination with the research of saccharification process of by-product water (Mayuko OOKAWA. Univ. Tsukuba), a continuous process of by-product water beverage production will eventually be established. This research will greatly improve the utilization value of wash-free rice.

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  • P-36
  • Morphological Structure, Starch Fractions and Starch Digestibility of Three Pigmented Rice Cultivars Cooked by Microwave Cooking
  • ○Sukanya THUENGTUNG and Yukiharu OGAWA (Chiba Univ.)

 This study aimed to investigate the effect of microwave cooking on morphological damages, the starch fractions, and starch digestibility of cooked pigmented rice. Three cultivars of Thai pigmented rice, Hom Nin, Red Hommali and Kum Luempua, were used in this study. Rice was soaked in water at ratio 1:4.5 (rice:water, w/v) at 4 ℃ for 19 hours and then cooked using microwave oven at 600 W for 12 minutes. The morphological structure of cooked grain was observed using fluorescent stereomicroscope. The moisture content, total starch content and resistant starch content were determined. The starch digestibility of cooked rice slurry during simulated in vitro digestion was also examined. The results indicated that the disruption of morphological structure of cooked grains was related to their moisture content (%) with varying degree among cultivars. In addition, total starch content (%) and resistant starch content (%) were mostly found in Red Hommali cultivar, resulting in Red Hommali showed lower starch hydrolysis (%) than the others.

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  • P-37
  • 舗装用ブロックを用いたコンクリート床ハウスの施工と内部環境の計測
  • ○土屋遼太・奥島里美・石井雅久(農研機構 農工研)

 改正農地法の施行により床面をコンクリート張りにした園芸施設が農地と認められるようになり、コンクリート床ハウスへの関心が高まっている。施工・撤去の容易さを特徴とするパイプハウスは多くの生産者が使用しており、コンクリート床導入が作業効率化等に寄与すると期待されるが、撤去の手間等を考慮すると鉄筋コンクリート床との親和性は低い。そこで本研究では、生産者独自での施工や修繕などを行いやすい舗装用ブロックを用いた簡易コンクリート床パイプハウスを提案した。また、一般的にコンクリート床の導入は温湿度制御の厳密な制御に効果があると言われるが、これについて床面無被覆のハウスでの環境計測データとの比較により検討した。

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  • P-38
  • プローブとなる圧電振動子が直方体容器底面に埋め込まれた振動式粘度計における試料液体の量による測定値への影響
  • ○安立隆陽・水谷孝一・若槻尚斗・海老原格(筑波大)

 プローブとなる圧電振動子が直方体容器底面に埋め込まれた振動式粘度計について、圧電振動子の振動は試料液体との接触面の接線方向に大きく変位するが、比較的小さいものの法線方向の変位も生じると考えられる。そこで本発表では、液面での反射波が測定値に影響することが考えられるため、試料液体の深さによって測定値に影響があるか検証することを目的とした。試料には粘度標準液を使用し、試料の量を10、20、30、40 mLとして測定を行った、20 mLの場合を除いて理論式が示すような密度と粘度の積の二乗根に圧電振動子の電気的等価回路の抵抗成分が比例する傾向が見られ、抵抗成分の値が同程度となることが確認された。

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  • P-39
  • Development of Blueberry Wine with High Content of Polyphenol
  • ○Wang HONGPU, Yutaka KITAMURA and Mito KOKAWA (Univ. of Tsukuba)

 Blueberry is well known for its high nutrition, especially the polyphenol and anthocyanin content. Therefore, it is usually used to make juice, wine and jam. But during wine making process, it always produces pomace contains a large amount of nutrient, which will be thrown away after processing. In my research, the Micro Wet Milling (MWM) technology is used to produce wine with smaller particle size, and thus increase the nutritional content and make the final product have good taste. In previous study, they found that polyphenol content can be increased by using this technology, but it will decrease after fermentation when they did MWM before fermentation. In my research, I am trying to do MWM after fermentation to increase polyphenol content in the final product. And I will also do the experiment of doing MWM before fermentation and traditional wine making process to compare with my research.

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  • P-40
  • シミュレーションと実測によるCO2施用時の温室内CO2濃度分布の解明
  • ○荒川英人・池口厚男・菱沼竜男(宇都宮大)

 温室を閉め切る冬季等では、空気流動が小さくなるため、環境因子の空間分布は大きくなる。環境制御の一つであるCO2施用も施用時はCO2の流出を防ぐため、換気窓を閉め切る場合が多い。これにより温室内のCO2分布は不均一になると考えられるが、循環扇や送風ダクトを用いることにより均一性が保たれるといわれている。しかし、実際にCO2施用時の温室内部の環境について調べた研究報告は稀有である。そこで本研究では、実測とシミュレーションを用いて、CO2施用時の温室内のCO2濃度分布状況を解明することを目的とする。

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  • P-41
  • 深層学習と蛍光分光法を用いた温州ミカンの熟度予測
  • ○板倉健太(東京大)・斎藤嘉人・鈴木哲仁・近藤直(京都大)・細井文樹(東京大)

 深層学習と回帰を組み合わせた、深層学習回帰のためのネットワークを構築し、柑橘果皮の蛍光情報からその熟度(糖酸度比)を高精度に推定することに成功した。この手法は、柑橘の熟度管理に加え、農産物の品質評価で広く利用可能である。柑橘果皮の抽出液の蛍光指紋を計測し、その分光情報を画像として捉え、深層学習を行った。これまで農産物に深層学習回帰を適用した例はほとんど知られておらず、学習ネットワーク(層の深さ、数、各種パラメータ)を適切に構築することは難しい。そこで、ベイズ最適化という手法を取り入れ、柑橘の熟度推定に特化したネットワーク構築を行い、主成分回帰などの従来法を上回る精度で柑橘の熟度推定に成功した。

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  • P-42
  • 焙煎操作が玄米の水挽や生化学的特性に与える影響
  • ○福井美帆・北村豊・粉川美踏(筑波大)

 食生活の簡便化や無糖飲料志向の強まりと共に茶類のペットボトル化が進んだことにより、近年茶系飲料の生産・消費ともに増加している。その中でも日本の主要農産物であるコメを材料とする玄米茶に注目する。従来の玄米茶は蒸した精白米を乾燥、焙煎して作製されるが、飲用時に抽出殻が排出される。そこで、焙煎した玄米を、緑茶を加えながら水挽して得られる加工品を飲料とすることで、抽出殻がでず、玄米の栄養成分をそのまま摂取できる新たな玄米茶飲料を作製できると考えた。本研究では、焙煎処理の違いが玄米の水挽特性に与える影響と焙煎による生化学的変化を明らかにすることを目的とし、粒度分布、色、生菌数、抗酸化能を測定した。

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